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少女漂泊~Monologue by HARUKA υ

飛鳥の反乱

「ねえ・・ちょっと待って。」

叔母がそこで口を挟んだ。

「あたしね、一つ気になってることがあるんだ。
・・なぜかって言うと、あたしもレイプされたからね・・。」

「・・・え・・?」

初耳だった。あたしもさすがに混乱した。
叔母は、綾さんとセンセーを見つめながら、言った。

「ああ、しかも、飛鳥ちゃんがこうなったのは、俺が原因かも知れない。あの野郎、またあゆみの時と同じ事やりやがった・・・。」
「・・・え・・・?」

 内海あゆみの事だった。

「・・・やましな・・・。」
飛鳥がつぶやいた。

「・・・え・・?」
「あたしが襲われてたとき、純さんがそう叫んで走り寄ってきたの。・・・
でも、もういい・・・。ああ、イヤだ・・・、もう忘れたい。」

飛鳥はまた炬燵に突っ伏してしまった。

「・・山科・・。」

耕作には聞き覚えがあった。

(・・・山科禄郎・・・。)
https://note.com/hidemaro2005/n/n7d48885b00f5?magazine_key=maf9ee145c53b


「あたしね、あのときの純の言葉がまだ耳に残ってるの、
・・あゆみって、内海君のお母さんでしょ・・。」

叔父は、そう慌てる気配もなく、叔母の話を聴いていた・・・
ん・・?何かベクトルが変わった感じがする。

「内海君のお母さんを乱暴した相手って・・・。」

センセーは、そこで、冷静に言った。

「確信はないが、あいつが実行犯だと思ったのだが、
どうやら真相は違ったようだ。
飛鳥を襲ったのも、あゆみを襲ったのも、
あいつではなく、あいつが糸を引いた誰かだったと言うことだ。」

「・・じゃあ・・・。」

叔母は、そこで小さくうつむいた・・・。
「ねえ、純・・・山科って何者なの?
あたしは何も知らない。それがイヤ。」

「うん・・・、最後にわかったことだが、
彼は日本人じゃなかった。」

「・・・え・・・?」

センセーは、それ以上はなんとなく、
アンタッチャブルの匂いをぷんぷんさせておきながら、
この話題を、閉じようとしていた。

なんか、あたしには聞かせたくない話のようだった。

叔母も叔父も、そして綾さんも、
それ以上話を深めることはしなかった・

まぁ、いいや、
あたしはとりあえずあたしとセンパイの「障壁」が
実体のない作り物だったって事に気づいたのが、
何よりの収穫だった。

その時だった。がらっと店の戸が開いて

「じゃまするで・・。」

「あら~おいでやす、御前様。」

いつかの「般若湯」のけちんぼなお坊さんだった。
あたしは用も済んだので、叔父夫婦に別れを告げて、
店を出るときにちょうどかち合ったのだ。

「おや・・、こないだの。嬢ちゃん。」
「・・あ、こんにちは・・。」

「お帰りか?」
「はい、」

そういうとお坊さんは、かかと笑って。

こないだ、清浄句の意味知りたいゆうてたな。」
「はい、教えてくれませんでした。・・」

あたしは少しむくれてそう答えた。
するとお坊さんは、

「はは、そん時は済まんかったの。
今度その意味がわかるヒントを見せたるさかい、
よかったら、うちのお寺にお越しや。」

知りたければ聞きに来いというわけだ。
あたしは少し気のない返事をした。

「はい、後日伺います。」
「はは、まっとるで・・。」

そう言うと、店のカウンターに、腰掛けた。

あたしは、それを尻目に店を出た。
ちょいとむかつく・・お寺は後回しだ。


To be CONTINUE


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