ヘビースモーカーだったあたしが、禁煙に成功した方法 その2
目標設定での「3の法則」
三日坊主、とか三日天下という言葉、
さらには「石の上にも三年」というように、「習慣」とか「継続」の節目には、よく3という数字が、「故事」的な立ち位置で現れます。
あたしはこの「3」という数字が、
なにゆえこのように、行動力学に頻出するのか、まず着目してみました。
よくよく分析してみると、一つの仮説にたどり着きました。
それは「エピソードの決着は四つの段階で完成する」ということです。
すなわち「起承転結」で、動いているのだという仮説でした。
ですから3という数字はちょうど「転」にあたるということです。
つまり、第3段階とは「山場」であるということで、
これを乗り切れるか乗り切れないかで、
第4段階の「成果」には結びつかないという、
行動科学上の仮説です。
ですから、あたしは「3」にこだわって目標を立てました。
第1段階・・ミニマムな目標と結果を繰り返す。
たばこを我慢する「時間」の区切りを「3」で設定します。
たとえば、「吸おうかな」と思ったときに、
まず「3秒」待ってたばこを口にする。
それが3回できたら、今度は3分やってみる、
3分の3回、9分の3回・・。
そうすれば、計算上30分弱は我慢できるようになります。
この「3」が達成できた時が
第2stepのはじまりである「4=結」になるわけです。
ここまで来たらもう後には引けないのです。
ここでめげたらまた「振り出しに戻る」の繰り返しです。
次のステージレベルには、上がれないのです。
ここでわかったのは、
喫煙は「中毒」ではなく、「習慣」なのだという実感です。
ですから、よく言われる「禁断症状」なんて、
一度も起こりませんでした。
なぜなら、我慢できず失敗したら、
「もう一度最初からやればいい」からです。
ですから、最初の秒単位の時は
何度も何度も「振り出しに戻る」でした。
我慢した成果が大きくなるほど「サンクス効果」が生まれる。
喫煙間隔を開ける時間を拡大することが、
もはや「ゲーム感覚」になったらしめたものです。
なんせ、達成したらたばこが吸えるのですから。
という状況まで持っていくと、
もはや、「吸わないでいられる時間はどのくらいまでいけるか」
というゲームに変化していきます。
すると、こういう感覚が生まれます。
「ここまでせっかく吸わないできたのに、
また一からやり直すのはもったいない。」
不思議なのですが、こういった「サンクコスト」が心に生まれます。
すると、「もう少しやってみるか」とか、
「ここでやめるるのはもったいないな」
という自然な気持ちがわいてきました。
じゃあ、まずはやめておくか・・・。
という気持ちになります。
つまり、吸いたい気持ちは残したまま、
吸わないでいた行動に対する「時間への執着」が
どことなく生まれたわけです。
これは自分でも不思議な感覚でした。
つまり、「記録更新」の方が、喫煙したいという意欲を上回った。
というわけです。
ここであたしが確信したのは、
「ニコチン中毒」はフィクションであり、
たばこがやめられないのは「依存症」である。
しかも、それは「生活習慣」であるという
きわめて単純な図式でした。
いつのまにか「たばこを吸わない時間」がどのくらい記録を伸ばせるか。という努力目標にすっかり変わってしまっていました。
しかも、その目標設定は3という数字が大きく関わっていたので、
自然と「ハマること」ができたわけです。