「漂泊」を一段落させる
「漂泊」=さすらいと読んだ。
この一連の「物語」の原型が成立したのは、もう40年以上も前。
まだ10代ではなかったかと思う。
いや、高校生だったから、確かに10代。
文章が書きたくて、それから、
研究者にあこがれていた時期。
友人に、革命家がいた。
生徒会に立候補してはいつも落選していた。
とうとう「生徒会役員」にはなれなかったが、
大学で自治会長になったようだ。
その彼を、クールな目で見ていた一人の美少女がいた。
謎が多く、友達も少なかったようだが、美術の時間で、
彼女をモデルにクロッキーを描く機会があった。
合法的に彼女を見つめることができた。
渾身の作品は、こっそり彼女に渡した。
下手だったと思う。たぶんすぐに処分されたと思ったが。
まだ大事にとってあるということを、
後日の機会に、彼女の孫から聞いて
ちょっとうれしかった。
あの頃の友人たちがモデルになって、
あらためて描いている作品の中で躍動している。
しかも、自分自身が、作品のなかに出演している。
時代背景は、「昭和」
バブルのちょっと前・・。
4畳半と裸電球が似合った時代だ。
貧乏なくせに誰もがフォークギターを持っていた。
この物語は、メインの部分では、実は完結していない。
おおもとの物語は、危険すぎて公表できないからだ。
だから、登場人物の「日常」と「生き方」をスポットで描いてみた。
短編方式で、オムニバス的に、時間軸を気にせず描いてみた。
登場人物は生き生きと動き回った。
だけど本編の影はこの物語世界にも影響する。
だから、世代交代をすることにした。
そしてこの世代は、もはや、勝手に動き始めている
最後に、この子たちは今まで出会った人たちの「類型」でもある。
そして、これを描くことはあたしにとっても至福の時でもある。
そろそろ自分が創り出した「漂泊」という呪縛から、
そろそろ解放させてあげよう。
それを、どういう形にするかは、これから考えることにする。
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