![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71611344/rectangle_large_type_2_4357113aa53170f541a61e8e13e6742a.jpeg?width=1200)
本屋の息子あるある
全国に「本屋の息子(娘)」が
何人いるかは分からないが、
思いつくままに書いてみよう。
①店番
父が配達、母が買い物の時が出番だ。
自然と、どこにどんな本があるのか覚えた。
②アダルトな本
近づいてはならないコーナーがあった。
ビニールに入った、
いわゆる“ビニ本”が置いてある。
町内会長から
「あまり激しいのはちょっと…」
とクレームがあったらしい。
③気まずかった話
ある日店番してると、
感じの良い夫婦が
「実は娘が映画に出たんですよ」
と微笑みながら
エロ映画月刊誌をレジに持ってきた。
表紙はソフトだったが、
中は超ハード(←なぜ知ってる?)
「そ、それは良かったですね」
と応対したものの、
気まずかった。
④発売前日に読める
ジャンプは日曜4時に届いた。
前日の夜に読めたのだ。
そして翌日は、
学校で“ネタバレ”君となる。
⑤コンビニへ偵察
発売日の午前0時に発売していないか、
偵察に行かされたことがある。
発売はしていなかったが、
そのまま立ち読みモードに入ってしまい、
ミイラとりがミイラになった。
⑥店内の漫画を読み尽くす
少年漫画、例えば
ジャンプ、
サンデー、
マガジン、
キング←渋い
チャンピオンを読み尽くし、
ついには少女漫画へ。
マーガレット、
花とゆめ、
フレンド…
ボーダレスだったなぁ。
本という利幅の小さい商品を、
地道にコツコツ売り続け、
僕を私立中高一貫に通わせてくれた両親。
2人とも学歴は中卒だ。
心臓に障害があり、
高校進学を諦めた母。
両親を早くに亡くし、
姉兄弟3人で生きて行くために、
中卒で働くしかなかった父。
2人の
「勉強したかった」
という思いが、
僕の背中を押してくれた。
なのに勘違いした僕は、
「自分は両親より偉い」と、
思い上がった時期もあった。
被爆後から40年もの間、
広島市内で
本屋を経営してきたことが、
どんなに凄いことか、
今なら分かる。