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強制的に良い環境をつくる取り組み

少し前から、授業中に制限をかけている生徒がいます。
その制限は、
「他の人とは話してはならない」というもの。
もちろん、自分の一斉授業は受けることができ、自分に質問はできます。
その生徒は、授業に集中しきれなかったり、だらしなかったりする子です。
これを聞くと、「何やってんだよ。お前。」と思われるかもしれません。このあと説明しても思われるかもしれませんが…。笑
自分はその生徒に怒っていて制限をかけているわけではありません。
むしろ、めちゃめちゃ関係は良く、よくコミュニケーション取る生徒です。
ある日、ふと思いついて、
「〇〇(名前)。おまえは、今日から指定席だ。笑」
と言っても
「えぇー。まじっすかー。笑」
って感じ。
その時から指定席になり二週間ほどが経ちました。

もちろん、生徒集団の中でなんとかしてほしいという思いもあり、その思いが伝わり、一緒に勉強している生徒は声をかけたりもしてくれます。ただ、集中しきれないことが多くて。
今回はちょっと自分の手を加えて、環境を変化させようとする気持ちが湧いてしまいました。
なぜかというと、「得」と「面白さ」を実感させるには、生徒集団の中じゃなくても良いと感じたからです。(ほぼ、勘ですが。笑)『学び合い』実践者だったら、かなり否定的に思うかもしれません。

制限をかけた結果、ちょっとした変化が起きております。
①かなり真剣になって、教科書や動画を見ている
②自分に質問する回数が増え、時間の無駄に気づき始めた
③自分が教える中で、ノートの大切さがわかった

①については、そもそも自分にフィットした学習方法として、良い選択ができていなかったのだろうと思います。まー、単純に自分の声かけがダメなんじゃないのと言われればそれまでですが、なかなか難しかった。

②については、わからないことをなんとかするのは、動画か自分に聞くかの二択になってしまったため、動画でわからない場合は自分に聞きに来ます。ですが、自分が他の生徒とコミュニケーションを取っているとすぐに聞くことができない。その待ち時間の無駄さについて、わかるようになってきたようです(自分で言っていた)。立ち歩いてOK、自由にお話ししてOKというルールには、自分が欲しいタイミングで情報を得られるからだと、気付いたみたい。

③については、自分が解き方を教えていると、教科書にちょこちょこっと書いてわかりづらい書き方をしていることがありました。ノート指導と言って、「あーしなさい。こーしなさい。」とは言わないんだけれど、途中計算を間違えたときに、
「こんなちょこちょこ書いてるからわかりづらいんだよ」
と、友達がいないところでお話をすると、なんかいつもよりすんなり話がよく入りました。(これも、友達がいないときに通用することばかけを磨けば良いだけか…。笑)

まー、書けば書くほど自分の実力のなさを実感するのだけれど、結果、二週間だけれど、数学でよくある「そういうことか!」という楽しい経験をその生徒はしていて、現在一人で集中して学習を進めています。
なんか、こういう個別の手立ても大切なのかなと思いました。強制的にやらせて、大切さに気づかせる。
『学び合い』実践者から、いろいろと言われてしまいそうだけれど、肌感覚で今回は自分の手立てが必要なのかな(現在の、自分の実力だと)と思い実践しています。
この方法は、生徒との関係が良くないと有効な手段にはならないのは明らかです。また、自分とのラインが強くなりすぎる前に元に戻そうと思います。

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