見出し画像

教育費格差が問題ではない

教育費格差は広がるばかり

読者の皆様の中にはご家庭をお持ちの方も多く、中でも子育て世代真っ只中の皆様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな皆様にとって、小学校、中学校など教育課程以外の教育にかける費用、例えば子供達の塾代やスポーツクラブなどなど、馬鹿になりませんよね。
私も経験があります。

この教育費ですが、高所得者層と低所得者層の塾などにかける費用の差が広がっています。
新聞記事によると、世帯年収が平均1200万円超の高所得者層と371万円以下の低所得者層の間で、高校生の子どもの塾などの補習代は最大15倍もの格差があるというのです。
記事ではこの格差を「ワニの口」と表現しています。
それはともかくとして、この現象は、高所得者層による、ゆとり教育などの取り組みに対する公教育への不安が起因していると言われています。
収入格差による教育格差は、そのまま学力格差へと連鎖されます。

この高所得者層の教育に関する費用のかけ方に追随するのが中所得者層です。
ただ、この中所得者層が高所得者層と同じように教育費を支出するとなると、家計を圧迫する懸念があります。
しかし我が子の将来を思うと、多少無理してでも、勉強ができるようにしたい、好きなスポーツをさせたいと塾やクラブに通わせることもあると思います。

日本の年収と教育費

年々教育コストが増大する中、例えば住民税非課税世帯を対象に、2020年度から大学などの高等教育が無償化されています。
その結果、対象世帯の進学率が約10ポイントほど上昇したと言われています。
そのような好結果がある一方、教育への公的資金の投入が、経営が苦しい私学や塾などが延命される可能性もあるとも指摘されています。

また東京都は私立中学授業料に対して10万円補助を今年度から導入していますが、私学が授業料を値上げするだけで効果は限定的だと某大学教授の専門家は指摘しています。

各世帯で子どもに対する教育費を望み通りにかけたくてもかけられない現状がありますが、根本の原因は家庭の所得が少ないことです。
厚生労働省の分析によると、2020年の日本の年収の中央値は399万円です。
これが1994年ではどうだったかというと、505万円でした。
ということは、ざっくりというと、この26年間で100万円も日本人の年収は下がったということになります。

さらにいうと、年収1000万円以上の高所得者は半分になりました。
逆に、年収100万円いかの低所得者は約2倍になりました。

この間何があったでしょうか。
そうです。消費税導入・消費税増税です。
消費税により国民が負担を強いられ、日本は長くデフレのトンネルに突っ込みました。

子どもを産みたくても産めない、というよりも結婚したくてもできない人たちが増えています。
それはズバリ経済的理由です。
結局はお金に余裕が無いがために、結婚したくてもできない、結婚しても子どもを産みたくても産めない、または本当は3人子どもが欲しいところを1人か2人で、という人たちが多いのです。

問題は所得が増えないこと

ここで再び冒頭に戻りますが、何も高所得者層と低所得者層の教育費の格差が問題ではありません。
子どもにお金をかけられる世帯は可能な限りかければ良いのです。
根本的な問題は、所得です。
基本的には所得の範囲内で、子どもの教育費を捻出すると思います。

ところが、その所得が少ないがために、各家庭が願うような教育にかける費用を捻出しづらい状況であることが問題なのだと考えます。

何も高所得者と同じような教育費をかければ良いというわけではありません。
自分の所得の範囲内で良いから、子どもが望むような学びの機会を与えてあげられれば良いのですが、それがなかなかできないということが現状かと思います。

所得を伸ばすには、労働所得であれば働き方や働き場所を変えるか働き口を増やすしかありません。
しかし人間誰しも身体は1つ、時間は24時間しかありません。
年中寝ずに24時間365日働ければ良いのですが、現実的にはそれは無理です。

もちろん日本政府も、何かしらの援助、つまり公助はしてくれると思います。
子育て支援などもあるでしょう。
しかしそれだけでは所得は伸びません。
国民の所得を伸ばすには経済政策です。
ベースとなる所得が底上げされないと教育に回すお金は十分には行き届かないでしょう。

となれば、自分自身でも労働に頼らない不労所得、つまり投資によりお金に働かせてお金を得る必要があります。
つまりそれは自助です。
ただこれは一朝一夕にはいきません。
長い期間をかけて計画的に資産形成をしていく必要があります。

これから結婚されようとする方、ご出産予定の方、お子様がまだ幼い方は、早めに資産形成計画を立てる事をお勧めします。

参考 日本経済新聞
5/26『教育費格差「ワニの口」に』
#投資 #株式投資 #企業決算 #日本株

いいなと思ったら応援しよう!