3DPトラブルシュート:コゲがオブジェクト表面に付着する
課題:オブジェクト表面にコゲ
今回の相談で推測するポイントは、オブジェクトに対して"不定期"の発生、"茶色っぽい(真っ黒コゲではない)"というところです。直前まで問題なくプリントできていて突然今回のプリントから、ということもあり、事象からぱっと原因が特定できないのがこのトラブルのややこしいところです。
原因の可能性:ホットエンド部品の隙間
まずホットエンド付近、ノズルとヒートブロックの隙間と、ヒートブレイクとヒートブロックの隙間をよく観察してみます。
本当にちょっとの角度、5〜10°程度でも緩みが生じていると、この小さなスキマからフィラメントが溶け出ていってしまいます。オブジェクト自体は一見破綻なく、問題なくプリントできているように見えるのが、ある意味で目眩ましというか、原因の推測もできなくなりがちです。
本当にちょっとずつノズル先端に溜まっていったフィラメントは、ある程度の大きさになると塊となってオブジェクトに付着してしまいます。オブジェクトの大きさやスピードによってコゲ目がまちまちのため原因がわからない、検討もつかない、ということがままあります。
対応方法:ホットエンド部品の増し締め
ヒートブロックに対して、ノズルとヒートブレイクをネジ込むかたちで装着するタイプのホットエンドでは起きる可能性があります。エクストルーダーに固定したまま行うか、一度外して行うかはプリンタの種類や状態によってどちらでも良いかと思います。
1.フィラメントはアンロードしておきます。
2.ホットエンドを270℃以上に熱し、ノズル(もしくはヒートブレイク)を増し締めします。真鍮から焼入れ鋼、焼入れ鋼から真鍮、など、素材の違うノズルに交換する場合は、より気をつけて締めてください。
3.冷却します、10分ほど、ホットエンドの温度が下がるのを待ちます。
4.ホットエンドを元に戻します。
ホットエンドを戻すときに緩んでしまうことをもあるので、完全な冷却を待ってから組み直すのが良いと思います。
参考
元の配信はこちら、1:29:20から1:34:25、チャット欄も参考にしてください。