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数学の小ネタ#40 シュワルツ・クリストッフェル変換
数学や物理学の世界では、発明した数学者/物理学者の名前を冠した「○○変換」という変換が多数存在します。有名なところでは、フーリエ変換やラプラス変換などがそうです。私が今まで出会った中で、一番カッコいい名前だと思った変換は『シュワルツ・クリストッフェル変換』です。
数学には、ある形状を別の形状に移し替える”写像”という数学的な操作があります。その中には、等角写像というものがあります。等角写像は、2次元以上のユークリッド空間からユークリッド空間への写像のなかで、任意の点の近傍の微小な2つの線分が、その成す角を保存するように(等角度になるように)写像されるものを言います。
等角写像は、複素関数論と深い関係があり、流体力学で流体の挙動の記述などにおいて、実用的で有用な方法です。等角写像を応用すれば、タイトル画のように、半平面から多角形に変換することができます。この写像変換が、二人の名前を冠したシュワルツ・クリストッフェル(Schwarz-Christoffel)変換です。
Schwarz-Christoffel 変換は、複雑な形状を単純な形状に変換したり、単純な形状を複雑な形状に変換することができます。航空機の翼にかかる揚力を計算する場合には、この変換が役に立ちます。また、物理探査学の分野では、地表の形状を表現するために使われたりします。
シュワルツ・クリストッフェル変換。何となく中二ゴコロをくすぐる名称です。