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"組み合わせ"が文明を進化させた?

現在のような機械文明は、偶然の産物らしい。蒸気機関の発明を端緒とした産業革命はイギリスから始まったのですが、これには次のような”偶然の連鎖”が関係しています。

イギリスは高緯度にあり、植物の生育には不向きです。そのため、森林が育つにはかなりの時間がかかります。イギリスではその昔、薪を煮炊きや暖房のために使っていましたが、森林を伐採し過ぎて山がハゲ山になってしまいました。そこで仕方なく、地下にある泥炭や石炭を燃やすようになりました。しかし、浅い所にある石炭を掘りつくすと、深い所にある石炭を掘る必要が生じました。

しかし、深い所の石炭を掘ろうとすると、地下から湧き出る地下水が邪魔になりました。この地下水を地上に排出するために、最初の蒸気機関が発明されました。その蒸気機関が改良されて、様々な機械を動かす動力として利用され、産業革命が起きました。

つまり、『高緯度にあるイギリス⇒燃料(薪)の枯渇⇒石炭の使用⇒蒸気機関の発明⇒産業革命』という、”風が吹けば桶屋が儲かる”的な偶然の連鎖が文明を進化させたのでした。なお、イギリスに石炭層があるのは、プレートテクトニクスと関連しますが、以前は赤道付近の暖かい場所にイギリス(ブリテン島)があったためです。

蒸気機関は”複雑な部品の組み合わせ”で構成されていますが、この組み合わせこそが人類に変革をもたらしたホモサピエンス固有の能力らしいのです。壁画などにも残っていますが、弓矢は”弓と矢の組み合わせ”で、初期人類の大発明です。弓矢以前には、アトラトルという小さな槍を投擲とうてきする、手持ちの投槍器が使われていました。これも、槍とアトラトルの組み合わせです。

人類の歴史は、”組み合わせの歴史”なのかもしれません。ちなみに、正しい組み合わせは『ベストミックス』と呼ばれています。最近では、エネルギー問題でこの言葉がよく出てきます。エネルギーミックス/エネルギーのベストミックスとは、加工されない状態で供給される石油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽熱などの一時エネルギーを転換・加工して得られる電力について、経済性、環境性、供給安定性と安全性を重視した電源構成の最適化のことをいいます。


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