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磁石シロアリは方位がわかる?

シロアリには”アリ”という名前が入っていますが、アリの仲間ではありません。アリはハチの仲間の昆虫で、”翅が無い”社会性のハチであるのに対し、シロアリは朽木などの植物遺体を食べるゴキブリの仲間から、社会性を著しく発達させた系統の昆虫なのだそうです。

シロアリは、ゴキブリと同様に嫌われる昆虫の代表格です。姿形も可愛くありませんが、木造家屋を食い荒らすその習性も、嫌悪の対象です。そんなシロアリの仲間に、変わった蟻塚をつくるシロアリが、オーストラリアに棲息しています。その正体は、『磁石シロアリ (magnetic termite)』です。

高さ3mにもなる磁石シロアリの蟻塚↑↑は、全て東西に広い面を向けていて、南北に細長い形をしています。これには理由があって、朝夕の穏やかな太陽の陽を蟻塚に受け、昼間の強烈な直射日光をなるべく受けないように工夫されています。それによって、蟻塚内の温度調整が出来るようになっているのです。

磁石シロアリは、まるで正確に方位が分かっているような巣をつくるので、このような名前で呼ばれています。しかし、磁石シロアリは地磁気を感知しているわけではありません。磁石シロアリは、”巣の内部の温度調整”のために、南北方向に延びた扁平な巣を選択しています。

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