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力と応力の違い 悪い人に騙されないために

私が小学生の頃に、「象がふんでもこわれない」というCMで、『サンスターアーム筆入』が発売されました。CMでは、象が筆入れを踏む映像が流れましたが、本当に壊れないのでしょうか?。

物理学でいう”力”は、質量に加速度を掛けた物理量です。また、単位面積当たりにかかる力のことを”応力(圧力)”と言います。象が踏んでも壊れないカラクリは、この応力にあります。たぶん、アーム筆入れは大きな応力に耐えられる材質で構成されているのでしょう。ですから、象が優しく”筆入れの面全体に足を置けば”壊れないのでしょう。ただし、象が爪先や踵などで筆入れの一部を踏めば、筆入れは簡単に壊れてしまいます。

このような壊れる/壊れないは、『応力集中』が関係しています。応力集中と言うのは、小さな面積に大きな力がかかっている状態です。このような状態になると、かなり頑丈なものでも変形したり破壊したりします。空手で瓦やブロックが破壊できるのも、この応力集中が関係しています。

子供の頃に見た『万国ビックリショー』では、インドのヨガの達人が針山に仰向けに寝そべって、さらにお腹には大きなコンクリートブロックを置いて、そのブロックを大きなハンマーで叩き割るというパフォーマンスがありました。小学生の私はドキドキしながら見ていましたが、”応力”の意味を知っていれば、こんなことはヨガの達人でなくても誰でもできることがわかります。

世の中には不思議なことがたくさんありますが、科学の知識があれば何ら不思議ではないこともたくさんあります。詐欺師に騙されないためには、基礎的な科学知識が役に立ちます。「物理や数学が何の役に立つの?」と言う人がいますが、悪い人に騙されないためにも物理や数学が必要です。

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