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統計学の力 一を聞いて百を知る

最近、統計学を勉強しなおしています。学生の頃、と言っても今から40年位前ですが、統計に関する授業を取ったことがありました。その時はチンプンカンプンでしたが、テストのためにF分布やt分布などを勉強した覚えが微かにあります。

その当時にはインターネットはありませんでしたが、インターネットが普及した現在では、データサイエンスはとても便利なツールです。大量の情報(ビッグデータ)で溢れかえっている電脳空間では、統計学を基礎としたデータサイエンスは、世の中に欠かせない技術になりつつあります。

深層学習などの最先端のデータサイエンスでなくても、統計学は結構身近で使われています。最近は衆議院選挙や地方自治体の首長選挙が続いていましたが、”ゼロ打ち”と言われる投票締め切り直後の当確(当選確実)判断は、統計学の手法に基づいています。

大きな自治体の首長選や、国会議員選挙などでは、投票者数(母集団)の数は数万を超えます。ある選挙区でAさんとBさんという二人の候補がいたとします。候補は二人ですから、投票者の半数以上の票を獲得すれば当選です。割合で考えれば、50%を超える得票率なら当選です。

母集団中の二人の候補の得票率は、統計学では母比率といいます。最終的な母比率は開票結果を待たないとわかりませんが、統計学を使えば二人の母比率をかなりの確度で推定することができます。ニュースや選挙特番では「出口調査」と言う言葉を聞きますが、これは投票を済ませた人を無作為に選んで投票行動を知るサンプル調査です。このサンプル調査で、全投票数(母集団)中の得票率(母比率)がわかるのです。

あくまでも統計学なので、絶対という事はありませんが、数百人くらいのサンプルがあれば推定には十分です。論語の中に出てくる表現に、「一を聞いて百を知る」という、物事の一部を聞いただけで全体を理解できる、賢明で察しの良い事の例えがあります。統計学を適切に使えば、”一を聞いて百を知る”ことが可能です。

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