ちょっと変わった温度計 バイメタル
最近の温度計は、熱電対などを使ったデジタル温度計が主流ですが、私が子供の頃はアナログ式のアルコール温度計や水銀温度計が主流でした。デジタルにしろアナログにしろ、温度計は〇℃という単位で比較されます。しかし、温度計の中には連続的な温度を測定する目的ではない変わった温度計も存在します。それがバイメタルです。
バイメタル(bimetal/bi-metallic strip)は、その名の通り2つ(bi-)の金属(metal)で構成されています。バイメタルは、熱膨張係数の異なる2種類以上の金属または合金を接着して、板状に仕上げたものです。この金属板は、温度変化に応じて湾曲しますが、熱膨張係数の大きな金属の方がよく伸びるため、熱膨張係数の小さい金属の側へと曲がります。
この性質を利用して、ある温度以上になるとオンやオフとなるスイッチとしてバイメタルが使われています。コタツなどの内部には、一定温度以上になるとスイッチが切れるサーモスタットといセンサがありますが、この内部にはバイメタルが使われています。
最近はLEDなどに置き換わっていますが、クリスマスツリーの電球や自動車の方向指示器(ウインカー)にも、バイメタルを応用したチカチカと点滅するランプが使われていました。
普段目にすることは殆どありませんが、家の中には配電盤があり、その中にはブレーカーという部品が入っています。ブレーカーは、過電流を防ぐ保護装置で、電流が流れ過ぎるとブレーカーが加熱・膨張し、電流が遮断される仕組みになっています。電力を大量に消費する電子レンジやトースターを同時に使うと、かなりの高確率でブレーカーが働きます。このブレーカーの内部にも、バイメタルが使われています。
バイメタルは、電気に依存した現代社会を支える”縁の下の力持ち”です。