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不発弾の探査

 不発弾とは,爆撃機・戦闘機から投下された爆弾および戦艦・戦車から発射された砲弾が,何等かの原因で爆発せずに地中に埋まっているものを指します。 これらの砲弾・爆弾が不発になる原因として,信管の不良,火薬の劣化などさまざまな要因があります。その時は爆発しなかった不発弾ですが,時を経て残念な事故をたびたび引き起こします。平成11年には三重県桑名市で工事中の機械による振動が原因とされる不発弾の爆発事故が発生しており,平成21年には沖縄県糸満市で工事中の機械と不発弾の接触から爆発事故が発生しています。

 このように不発弾が爆発する危険性は高いのです。 米軍が日本に投下した爆弾の総重量は15~17万トンと言われています。そのうちの数%が不発弾であるとしたら今でも大量の不発弾が残存することになります。現に沖縄県では,アメリカ軍の艦砲射撃による不発弾が現在でも毎年数多く発見されています。また,旧日本軍による化学弾が日本国内や中国なので発見され,問題となっています。

 不発弾の外部は鉄でできているので,不発弾の探査には磁気探査が有効です。浅海での探査では,磁気センサーを海底に這わせて、船舶で曳航して磁気探査を実施します。陸域では深度2m程度までは地表での磁気探査を実施しますが,さらに深くまで探査が必要な場合は2mずつ掘り下げて再度探査を繰り返す場合もあります。さらに深い場所に不発弾がある場合にはボーリング孔を使った磁気探査が実施される場合もあります。磁気探査では磁気異常が,正負のダイポール異常として検出されるので,特に正負の異常に注目する必要があります。化学弾や小型爆弾の場合には、これらのサイズが比較的小さいため磁気異常の大きさが小さく、磁気異常が現れる範囲も狭いので特に注意が必要です。



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