群れが活躍する”群知能”
群知能(SI; Swarm Intelligence)とは、自然界における生物の群れのふるまいを模した人工知能のことです。アリや魚などの群れにはリーダーはいませんが、この群れを構成する各個体は、単純な行動規則をもちながら、周囲の個体や環境に応じて行動します。そうすることで、自己組織化された高度なふるまいを行ないます。このような”群全体としての振る舞い”は、自動運転などの人工知能に応用する研究などが進められています。
砂糖に群がるアリを見たら、気持ち悪いと思う人は少なくないでしょう。しかし、このアリの群れが人工知能的な働きをします。アリの群れの動きを利用したアルゴリズムはアントコロニー最適化(ACO; Ant Colony Optimization)と呼ばれています。このアルゴリズムでは、フェロモンに導かれるアリを模した最適化が行なわれ、最短経路の探索などに応用されています。
この他にも、蛍、蜂、カッコウ、コウモリ、鳥/魚などの群れが最適化問題に利用されています。これらの群れの個々の個体は、大した能力は持っていません。しかし、そんな個体が数多く集まると凄い力を発揮します。今流行りの人工知能も、脳内の”シナプスの群れ”を模した構造になっています。
群れはパワーだ!。