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ハゲタカ学会とハゲタカジャーナル
インターネットが普及したこともあり、老舗の学術誌もその多くがオンラインに移行しています。オンラインのジャーナルは検索が容易ですし、過去の学術誌が無料でダウンロードできたりします。紙の学術誌からオンラインの学術誌への移行は、自然な流れです。
しかし、オンラインの便利さを悪用して”お金儲けに走った”オンラインジャーナルがあります。このような学術誌を日本ではハゲタカジャーナルと呼んでいます。ハゲタカジャーナルでは、きちんとした査読無しに、お金さえ払えば論文を掲載してくれます。このような粗悪なオンラインの学術誌は、約1万7000誌もあるようで、由々しき問題になっています↓↓。
最近、ハゲタカジャーナルの親戚のような『ハゲタカ学会』が問題になっています。ハゲタカ学会は、研究者の”参加料収入が目的とみられる粗悪な国際学会”で、新型コロナウイルスの流行に伴いインターネット上で開催されるようになりました。こうした粗悪な学会は、”国際学会で発表した”実績作りに利用されています。
権威ある国際学会での発表は、学術誌での論文発表と共に研究業績の一つに数えられます。国際学会の主催者は、その研究が発表に値するかを発表概要などを用いて事前に審査するため、参加が難しい国際学会も多いのです。そこに目を使たのがハゲタカ学会で、ハゲタカ学会では”掲載料が目的”ですから、ずさんな審査(場合によっては審査すらない)で、実質的には参加料を支払えば発表できます。
ハゲタカジャーナルやハゲタカ学会での論文は、インターネット経由で手に入りますから、”間違った研究成果”が拡散する可能性があります。海外の学術誌だからと言って、必ずしも正しいとは限らないのが、この問題の厄介なところです。
日本では良いイメージの無いハゲタカですが、古代エジプトではハゲタカの姿をした女神さまがいます。古代エジプトでは、全てがメスであると信じられていたハゲタカは、母性の象徴です。また、ハゲタカは腐肉を食べることから、死と再生(永遠の輪廻)とも結びつけられていました。