学歴マウントについて
そもそも、”マウントを取る”というのは、自分が相手より勝っている要素を持ち出して、相手より優位に立とうとする行為のことです。その中でも、自分が高学歴であることを自慢したり、反対に相手の学歴が低いことをけなしたりすることを”学歴マウント(を取る)”と言います。例えば、大卒の人が中卒・高卒、短大や専門卒を馬鹿にしたり、高学歴の人が自分の学歴を自慢して、周囲を不快にさせることです。
幸い、個人的には学歴マウントを受けた記憶は一回だけです。同じ大学でも偏差値によって、トップの医学部から比較的入りやすい学部まで、暗黙のヒエラルキーがあります。私が受けたマウントは初対面の同級生から「僕は○○学部なんだけど、君はどこの学部?」と聞かれたことでした。純粋な質問だけなら明らかなマウントではありませんが、相手の顔には無言の優越感の表情が浮かんでいました。
私は意識的にマウントを取ったことはありませんが、無意識にマウントを取ったことはあるかもしれません。マウント被害に遭われた方がいたら、ごめんなさい。福岡市くらいの規模の都市なら、大学を卒業した人が多く、学歴マウントが成立する環境ですが、私が育った田舎には近くに大学そのものがありません。なので、大学に入学するまで”生の大学生”を見たことがありませんでした。
高校生時代の私の田舎での学歴トップは、学校の先生で、それ以外の大卒の大人を探すのが難しいくらいでした。私の同級生で、父親が大卒なのは二人くらいしか頭に浮かびません。私の住んでいた田舎は、学歴マウントとは程遠い環境でした。
夏休み中に、田舎の自動車学校に通っていた頃、自動車学校の先生から「九州大学というのは国立か?」(標準語に翻訳)と聞かれたことがありました。また、知り合いの同級生が地元の大分大学に合格したので、その祝賀会に顔を出した時、知らないおじさんから「兄ちゃんはどこの大学に受かったの?」と聞くので、「九州大学です」と答えると、「フーン」と言う素っ気ない返事が返ってきました。どうやら、九州大学を知らなかったみたいでした。
大学に合格したその日、ほとんど話したことが無い親戚のおじさんからお祝いの電話がありました。母から九大(キュウダイ)に合格したことは伝えられているはずなのですが、「キョウダイ(京大)合格、おめでとう。キョウダイは良い大学だ」と、しきりに褒めてくれました!?。「あのぉ、合格したのはキョウダイではなくキュウダイなんですけど・・・」と申し訳なさそうにいうと、おじさんは慌てて「職場にキョウダイ出身の同僚がいるけど、全く使えない。キュウダイのほうがいい」と手の平返しをしてきました。いまでは良い思い出ですが・・・。
学歴マウントを取る行為は感心しませんし、マウントを取られて良い気はしません。間違いなく言えることは、本当に頭の良い人は、意味のない学歴マウントは決して取らないということです。