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アンサング偉人伝(番外編)  鉱山技師Merian

今回は、偉人と呼べるかどうかわからないので番外編としました。

アスファルトは道路舗装に欠かせませんし、その他にも防水・土木材料・制振材・防音材・接着剤・絶縁材料など多くの用途に使用されています。アスファルトの用途で最も多いのが道路舗装です。アスファルト舗装の始まりは1800年代半ばで、スイスの鉱山技師M. Merianが荷車からこぼれたロックアスファルトのかけらが自然に良好な路面になっていることを発見したことに由来します。

ロックアスファルト(rock asphalt)というのは、多孔質の石灰岩や砂岩中に滲み込んでできる塊状の天然アスファルトのことです。日本書紀などに記されている、朝廷に献上された”燃ゆる土”というのは、おそらくロックアスファルトだと思われます。Merianは、この発見を応用して、加熱したロックアスファルトを敷き均し、平坦に転圧する工法を考案しました。これが、近代アスファルト舗装の始まりと言われています。

ちなみに、日本で最初のアスファルトを用いた舗装は、明治11年(1878年)に東京の神田昌平橋で施工された橋面舗装です。このときは、秋田産の土瀝青れきせい(天然アスファルト)が使用されました。

世界中の舗装道路は、一部の例外を除けばアスファルト舗装が基本です。言い過ぎかもしれませんが、アスファルト舗装無しでは自動車社会は有り得ませんでした。社会への貢献度が高いアスファルト舗装の発明ですが、その発明者の名前はほとんど知られていません。恥ずかしながら、私も知りませんでした。

この記事を書くにあたり、M. Merianの肖像写真や肖像画を探しましたが、見つかりませんでした。

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