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ぎりぎりセーフ!!

 東北地方で仕事を終え、青森空港から福岡に帰ることになりました。仕事で訪問していた会社が気を利かせて、空港まで送ってくれることになりました。運転手は初対面の人でしたが親切で、空港までの途中にある観光地に詳しいらしく、色々なところを案内してくれました。

 まずは十和田湖に行って観光し、そこで食事をしました。次には、”日本のストーンヘンジ”と呼ばれる環状列石にも案内してくれました。色々な場所に案内してくれるのはありがたいのですが、こちらは飛行機の出発時間が気になりました。

 というのも、青森空港からの飛行機は1日おきで、それを逃すと、その空港から乗れるのは2日後です。この飛行機に乗らないと、その日に福岡には戻れません。「時間は大丈夫でしょうか?」と聞いても、「全然余裕ですよ!」と笑顔で言います。何度か「そろそろ空港へ・・・」といっても、「大丈夫ですよ!」と言います。

 しかし、飛行機の出発時間が迫ったころ、車が渋滞し始めました。こちらは気が気ではありません。「急いでくれ!」という言葉をぐっと押し殺して、渋滞が解消するのを待ちました。さすがに時間が迫っていることを自覚した運転手さんは、少しスピードを上げ始めました。最後のほうは、かなり速度が出ていたような気がしました。

 青森空港に着いたのは、出発時間の5分までした。車を降りて、走ってカウンターまで行って聞きました。「まだ乗れますか?」。カウンターのお姉さんは「はい、大丈夫ですよ」と笑顔で答えました。「ぎりぎりセーフ!。乗れるんだ・・・」という安心感で、緊張が一気に緩みました。チケットをテキパキと処理してくれたので、すぐに搭乗できました。

 もちろん、私が最後の乗客でした。すでに着席した乗客から送られる視線に耐えながら、自分の席に着きました。飛行機の搭乗で、これほど焦ったことはありませんでした。

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