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『404』という数字

『404』という数字にピンときたら、あなたはネットサーフィンの使い手かネットワーク管理者なのかもしれません。

情報が古くて、インターネット上からそのページが削除されるなどして表示できないことを示す『404エラー』というのがあります。このエラーには、”Not Found”という文字が添えられています。この忌々しいエラーコードを表示するページは、本当は無いはずなのですが、『インターネット最後のページ』と呼ばれることがあります。

この”404という数字”は、実は404号室に由来しています。実は、「その部屋は世界初のウェブサーヴァーが置かれたところで、スイスの欧州原子核研究機構(CERN)内にある」などと実しやかに語られます。しかし、本当はインターネット界の都市伝説です。本当の理由は次の通りです。

エラーコードは必要なものだが、“主役”ではありませんでした。今のPCはGBギガバイトのメモリが当たり前ですが、私が大学生のころのメモリの単位はkBキロバイトでした。大昔、まだメモリが今のようにふんだんに使えなかった時代で、エラー検出に備えたメッセージを長々と書いている余裕はありませんでした。そのため、短い数字にエラーメッセージを割り振ったのでした。たまたま、クライアントエラーを示すステータスコードが400番台に決まり、明確な理由もなく404が「Not Found」に指定されました。404は単なる偶然だったのです。

九州大学・伊都キャンパスでの私の居室は4階にあって、私が管理している実験室の番号は404号室です。この実験室の半分のスペースには、物理探査を実施するときに必要な探査装置を置いています。残りの半分のスペースは、室内実験に使っています。現在は、植物の根の可視化の研究に取り組んでいて、自家製のビニールハウスでトウモロコシを育成中です。私にとっての404号室は、『究極の探査部屋』です。

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