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♨漫遊記(番外編) アイスランドのブルーラグーン
私は地熱探査に関する研究をしているので、海外の地熱/温泉にも興味を持っています。地熱研究に関して言えばWGC(World Geothermal Congress;世界地熱会議)という国際会議が5年に1回の頻度で開催されています。前回は2020年にアイスランドで開催される予定でしたが、延期され、2021年にリモートでの開催になりました。もちろん原因は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のためです。
アイスランドは、北海道と四国を合わせたくらいの面積の島国です。北ヨーロッパの北大西洋上に位置する共和制国家で、全人口は40万人足らずです。九州大学がある福岡市の人口は160万人を超えていますから、福岡市の1/4の規模の国家になります。地球科学的に言えば、アイスランドは海洋プレートの湧き出し口(プレート境界)に位置する世界でも稀有な国です。そのため地熱活動が活発で、温泉が給湯や暖房、発電などに利用されています。
このアイスランドの首都レイキャビクから車で1時間ほどの場所に、ブルーラグーンと呼ばれる温泉地があります。ここは、大地の裂け目・ギャオと共に、アイスランドを代表する観光地の1つです。その名の通り青色をした広大な露天の温泉は、隣接する地熱発電所で発生した温水が自然の地形にそのまま溜まったものです。この温泉水にはシリカやミネラル成分が豊富に含まれていて、皮膚病に効能があるとされています。
実はWGC2020に参加する予定で原稿を投稿し、航空券や宿まで予約していたのですが、直前でキャンセルとなってしまいました。新型コロナの感染が無ければと、悔やまれるばかりです。