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地磁気が逆転!? 松山基範

 過去に地球の磁場が現在とは逆向きの時代があったことを、世界で初めて提唱したのが、日本の京都帝國大学教授・松山基範博士でした。博士が最初に逆転した古地磁気を持つ岩石を発見したのが、兵庫県豊岡市にある玄武洞です。玄武洞は玄武岩の名前の由来となった場所です。玄武岩は、柱状節理という六角形の柱状の構造を持つのが特徴です。また、この岩石は黒色なので、玄(黒)い六角状の亀甲から、玄武岩と名付けられました。

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 松山博士は、玄武洞で採取した岩石が、今の地磁気の方向とは逆向きであることを発見します。実験事実は確かなのですが、当時助教授の松山博士自身も半信半疑で、上司の教授に相談すると、「そんな馬鹿なことがあるか!」と強く叱責されたそうです。「君は地磁気が今とは逆向きだったと主張したいようだが、それは物体が下から上に昇ってくるのと同じくらい馬鹿げている」という内容のことを言われたそうです。松山博士が論文執筆を諦めかけたとき、東京帝国大学の寺田寅彦教授が、東大の紀要(大学主導の学術誌)に書いてみないかと提案したそうです。

 この時の英語で書かれた論文が広く海外に知れ渡り、”地磁気の逆転”はその他の地域の観測事実とともに、少しづつ認められていきました。地磁気による時代区分で使われる「松山逆磁極期」(258 万〜77 万年前)は、松山博士を記念して付けられた名称です。ただし、命名されたのは松山博士の死後だったので、博士自身はそのことを知りませんでした。

 最近、”チバニアン”という地質の時代区分が新しく追加されました。これは、地磁気の逆転と深い関係があります。


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