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定年退職について考えた。

 私が大学の教員(当時は国家公務員だったので教官)になった頃の大学教授の定年は、東大(60歳)、旧帝大(63歳)、その他の国立大(65歳)と言うのが一般的でした。私大の教授の定年は大学ごとにマチマチでしたが、多くは70歳以上でしたから、東大教授が定年退官して私大に移れば、さらに10年以上務めることができました。現在の国立大学法人の教員の定年は65歳ですから、定年後に私大に移ることができても、務める年数は以前よりも少なくなっています。

 私のようなポンコツ教員には移籍話はイチミリもなく、”夢のまた夢”ですので現実味は全くありません。若い頃は仕事(研究)が楽しくて、休日が物足りなく感じていましたが、いまは週末の土日が待ち遠しいように感じています。若い頃には定年なんて想像できませんでしたが、最近は現実味が帯びてきたせいか、ちょっとワクワクしています。

 国立大学法人などでは65歳定年制がすでに制定されていますが、一般企業ではそうでもないようです。しかし、2013年に改定となった”高年齢者雇用安定法”によって、2025年4月からは定年制を採用しているすべての企業は65歳定年制が義務になります。私は全ての会社が定年制を設定していると思っていましたが、定年制が無い会社もあり、中小企業で3.0%、大企業で0.6%ほどあります(会社全体では2.7%)。

 65歳定年制については、中小企業のほうが制度整備が進んでいるそうです。これは、中小企業のほうが人材確保が困難であり、安心して働き続けられる制度により、囲い込みを行おうとする思惑があるためです。また2021年に施行された改正・高年齢者雇用安定法では、”70歳までの定年引上げ”や”70歳までの継続雇用制度”などを努力義務になったそうです。法的には、すでに定年70歳へと向かって動き出しているようです。

 私としては65歳を一区切りと考えているので、今の職場とは65歳でおさらばです。金銭的に余裕があれば、悠々自適な生活が送れるかもしれませんが、そううまく行きそうにもありません。定年後は年金も入りそうなので、ガッツリ働くつもりはありませんが、今までの経験を生かした仕事をマイペースで出来るような環境を構築したいと考えています。そのためには、起業もあり?、という妄想を土日に楽しんでいます。

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