舌打ちの練習をしています
理由があって、舌打ちの練習をしています。舌打ちとは、舌と口腔を使って音を出すことです。日本では悔しい時など、何らかの不快なことがあった時に行なわれます。そのため、多くの場合他人に不快感を与え、安易に行なうと周囲との人間関係を悪化させます。日本では、舌打ちはハシタナイ行為だと考えられています。
私が舌打ちを練習している理由は、舌打ち音(クリック音)による反響定位を身に付けたいと思ったからです。以前の記事、『コラム7A 音で視る』で紹介したように、ダニエル・キッシュ(Daniel Kish)さんは先天的な目の病気のため、生後13カ月でその両眼の視力を失いました.しかし、彼は舌打ち音を使って、まるで目が見えるように動き回れるようになりました。ダニエルさんは、コウモリのように反響定位が使えるので、子供の頃は“バットマン”というニックネームが付けられていたそうです。
私は幸い目が見えるので、音による反響定位は必要ありませんが、好奇心から「本当にこんなことができるのか?」と、自分で試してみたくなったのです。舌打ちの練習は、大学の駐車場と自室までの往復の廊下で行なっています。朝夕は人通りが少ないので、人がいない時を狙って舌打ちの練習をしています。少しづつですが、舌打ち自体は上手になりました。しかし、肝心の反響音が聞こえません。目が見えるのが災いして(?)、聴覚が鈍いようです。しかし最近、大きな建物が近くにある時は、反響音を聞き分けることができるようになりました。
まだまだ、目を瞑って3次元映像が浮かぶ段階にはありませんが、いつかはその状態に近づきたいと思っています。そのためには、正しい舌打ちが必要で、もっともっと練習が必要です。もし私が舌打ちしているのに気付いても、決して悪感情を抱いているわけではないので、ご勘弁ください。
ダニエルさんの動画が、TEDで公開されていました。英語ですが、日本語字幕も見られるので、内容は理解できると思います。リアル・バットマンであるダニエルさんの講演を是非聞いてみて下さい。
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