ミリしら物理探査#3 『SP法』
SP法のSPは、Self Potential(自然電位)の略で、日本語では自然電位法です。またSPは、Spontaneous Polarization(自発分極)の略語とも言われています。
ある種の鉱床(硫化物鉱床やグラファイト鉱床)は、自然状態で分極しているので、地下で自然の電池のような振る舞いをします。そのため、ある基準点からの自然電位を測定すれば、鉱床の存在範囲が推定できます。SP法は、このような自然発生する電位に着目した方法です。
SP法は電気探査の一種ですが、比抵抗法のように地中に電流を流す必要がありません。ですから、比較的簡単な測定機(デジタルマルチメータなど)で測定できます。ただし、注意点が一つあります。それは、自然電位の測定には下のような非分極電極を使う必要があることです。
金属製の電極を使うと、その電極と地面(土)の間に接触電位が生じます。また、金属電極そのものが分極を起こしている場合もあります。SP法では接触電位を含まない自然電位(成分)が必要となります。そこで、地面との接触で電位が生じない非分極電極が使われます。
非分極電極にはいくつかのタイプがありますが、SP法で使われるのは Cu-CuSO4 (銅・硫酸銅)か Pb-PbCl2 (鉛・塩化鉛)の電極です。写真は塩化鉛タイプの非分極電極ですが、このタイプは地磁気地電流法(MT法)にも使われます。
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