物理探査のモニタリング考
テレビ番組の名前にも使われている”モニタリング”とは、監視、観察、観測のことを意味し、対象の状態を継続または定期的に観察・記録することを指します。
物理探査は、鉱物資源やエネルギー資源などの”動かない/移動しない”ものを対象にしてきました。しかし、ここ最近、”移動する資源”に対する探査の要求が高まっています。例えば、地熱資源は地下から蒸気や熱水を取り出しますが、取り出した蒸気や熱水の量が変わると、地下の状態が変化します。
継続または定期的な観測を長期間実施していれば、通常の状態が把握できます。また、通常の状態から大きく変化することがあれば、”何らかの異常”として検出することができます。
物理探査によるモニタリングは、地熱貯留層だけではなく、石油・天然ガスの貯留層、二酸化炭素を地中に貯留した場合のガス漏洩の監視などに使えます。また、まだ実用化は出来ていませんが、将来的には火山噴火予知や地震予知への応用も可能かもしれません。
実は我々の研究室では、30年以上前から”物理探査によるモニタリング”に着目し、そのための独自技術を開発してきました。最初のモニタリング手法は流体流動電位法です。これは、地下の資源流体のモニタリングのために開発しました。最も新しい地下モニタリング法は、流体流動電磁法です。この方法は、電磁場の変化から地下流体の流動状況を把握しようとする画期的な手法です。この方法に関する独自技術には、特許が認められています。
レッツ、モニタリング!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?