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世界”物探”遺産の旅#11 モザンビークのCabora Bassa送電線

モザンビークの南部から南アフリカ共和国の北部にかけて、Cabora Bassa送電線という長い送電線があります。この電線の北端は川の上流部にあるので、たぶん水力発電腫からの電気を送るための送電線だと思われます。この送電線を使った”大規模な電気探査・比抵抗法”が実施されました。

通常の電気探査の電極間隔は、数mから数百mで、長い場合でもせいぜい数kmです。しかし、1973年から1975年にかけて、アフリカ南部(モザンビークから南アフリカ共和国)の送電線を使って電極間隔が30kmから1250kmの大規模な電気探査が行なわれました。電極配置には、シュランベルジャー配置とダイポールダイポール配置が使われました。

この調査の結果、地表下数十kmから数百kmまでの深部比抵抗構造が推定されました。サウンディングカーブ(比抵抗探査曲線)の解釈では、最低でも4つの層に分かれていることが判かりました。地磁気地電流法(MT法)と呼ばれる電磁探査で数百kmの探査結果が示されたことはありますが、比抵抗法でここまで深部の地下構造を探査した例はありません。まさにギネス級の比抵抗探査結果です。

送電線の位置図


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