世界”物探”遺産の旅#16 ヒマラヤ山脈
世界の屋根と言われるヒマラヤ山脈は、世界で一番、標高の高い地域にある山脈で、パキスタン、インド、ネパール、中国、ブータンと5つもの国に跨っています。この山脈中で最も高い山はエベレストで、標高は8849mもあります。ちなみに、エベレストは後から勝手につけられた名前で、チベットではチョモランマ、ネパールではサガルマータです。
この壮大なヒマラヤ山脈の麓では、ヒマラヤ岩塩といわれる岩塩が取れます。パキスタンで取れる岩塩はピンク色をしているので、ピンク岩塩ともいわれます。でも、こんな場所でどうして岩塩が取れるのでしょうか?。答えは簡単です。この辺り一帯は、昔は海だったのです。昔といってもかなり昔の話です。その証拠にヒマラヤ山脈では、アンモナイトなどの海の生物の化石も見つかることがあります。
大昔、インドは独立した大陸でした。この大陸をインド亜大陸と呼んでいます。このインド亜大陸がプレートの移動によって、ユーラシア大陸に衝突しました。インド亜大陸とユーラシア大陸はどちらも大陸プレート上にあるので、どちらも沈み込むことなく、衝突した部分が、年々隆起していきました。こうやってできたのが、ヒマラヤ山脈です。ヒマラヤ山脈がある場所は、インド亜大陸とユーラシア大陸に挟まれた海でした。
海が干上がって塩が結晶化し、それが堆積して岩塩になりました。これがヒマラヤ岩塩です。海に囲まれた日本では、海水から取った塩が一般的ですが、世界的に最も多く使われているのは岩塩です。岩塩は、北アメリカやヨーロッパで特に使われています。