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数学の小ネタ#22 折り紙と方程式

日本には折り紙という伝統文化があります。紙自体は2次元の平面ですが、それを巧みに折ることで、3次元の立体を構成することができます。この折り紙の応用分野は意外と広く、芸術・工芸から工学や数学の分野でも注目されています。

人工衛星にも折り紙の技術が導入されています。ロケットで宇宙空間に打ち上げられる最大の寸法はロケットの大きさに依存しています。もともと、そんなに大きなものを入れられないので、どうしても効率よく折りたたむ必要があります。宇宙空間で使う太陽光パネルは、折りたたんでロケットに乗せ、宇宙空間に射出された後に大きく広げることになっています。

最近注目されているのは、折り紙の数学的な側面です。折り紙は海外でも認知度が高まり、英語でもOrgamiで通用します。最近知って面白いなと思ったのは、折り紙で三次方程式が解けるという事です。私も完全に理解できているわけではないので、ここではうまく説明できません。なので、ひとつだけ具体的な応用例を示します。

幾何学の問題で、『立方体の倍積問題』というのがあります。これは、体積が二倍となる立方体を定規とコンパスだけで作図できるか、という問題です。体積が2となる立方体には、2の三乗根を作図で求める必要があります。しかし、定規とコンパスだけでは、精々2次方程式しか構成できないので、平方根は作図できても、三乗根は作図できません。

しかし、折り紙を使って折り方を工夫すれば、任意の3次方程式の実数解が求まるのです。つまり、折り紙を使えば2の三乗根も求めることができてしまいます。2の三乗根が求まれば、立方体の倍積問題は解決します。西洋の問題を東洋のやり方で解決する。なんともエレガントです。

私が折れるのは鶴ぐらいですが、凄い人になると1枚の紙からドラゴンなどを折ったりできます。折り紙には、まだまだ可能性があります。

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