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数学の小ネタ#31 ビュフォンの針

円周率πを求める計算方法は、数多くあります。円周率は、文字通り”円周に対する半径の割合”を表わしていて、3.141592653589793238462・・・と無限に続きます。このような分数で表わせない数のことを無理数と言います。

最初に考えられた円周率の計算法は、円を正多角形で近似する方法です。このアイディアは古く、今から4000年以上前の古代バビロニアの時代に、正六角形を使って求めた円周率の近似値の22/7などが使われていました。

紀元前3世紀ごろには、円に内接/外接する2種類の正多角形を使うことで、円周率の範囲を絞り込むというアイデアが使われました。この頃には、円周率は 3.14084 < π < 3.14286 という値にまで絞られ、今でも円周率の近似値として使われる3.14という値が求められています。

円周率の桁数は年々更新されていますが、2024年3月13日には105兆桁、同6月28日には202兆1122億9000万桁まで計算されています。このような計算は、実際にはコンピュータを使って実施されます。このようなチャレンジは円周率の桁数更新も目的ですが、”円周率計算の効率的なアルゴリズムの開発”も目的であり、計算機科学の発展にも貢献しています。

ところで、円周率は実験やシミュレーションの確率からも求めることができます。一番有名なのは、『ビュフォンの針』と呼ばれる単純な実験です。ビュフォンの針は、18世紀の博物学者ジョルジュ=ルイ・ルクレール(ビュフォン伯)が提起した数学上の問題です。

問題自体は非常に単純で、「もし床に多数の平行線を引き、そこに針を落すならば、どれかの線と針が交差する確率はどのようになるか」という問題です。この問題は、幾何学と積分を使って解けますが、答えは円周率の逆数、すなわち”円周率分の1”になります。実際に実験で求めるためには、数千回、数万回、それ以上の実験数が必要ですが、実験回数を増やせば増やすほど、その確率は円周率に近づいていきます。

ビュフォン伯の肖像画


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