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電子ジャーナルが多すぎる!!

電子ジャーナルは、学術雑誌が電子化されたもので、オンラインジャーナルとも言います。昔の学術誌は、”紙”に印刷したモノが主流でしたから、論文のことは英語でペーパー(paper)と言います。paperは広義では紙全般を意味しますが、学術研究の文脈では論文を意味します。最近は、紙の学術誌が電子化されて、紙の学術誌をほとんど見なくなりました。

オンラインジャーナルは便利で、特定のキーワードで検索した論文を瞬時で探し出すことができます。また、無料でダウンロードできる論文も多いので、昔に比べるかなり便利です。昔は図書館で調べたり、著者に直接コンタクトして論文を取り寄せたりすることもありました。今は便利になって、そんな昔が嘘のようです。

無理やり悪い点を挙げるとすれば、紙の学術誌のように斜め読みができないことです。昔は紙の論文をパラパラめくっていた時に偶然、研究のヒントになりそうな論文に巡り合うこともありました。しかし、オンラインジャーナルではそんなことができません。

最近のオンラインジャーナルは、無料で閲覧できるオープンアクセスジャーナルと呼ばれるものに移行しつつあります。オープンアクセス化は時代の流れですが、このジャーナルでは論文の投稿者が掲載料を支払うことによって成立しています。つまり、多くの人がただで論文を利用できるために、著者が代りにお金を払っているのです。

オープンアクセスジャーナルでは、このようなビジネスモデルを採用しているので、論文を投稿してお金を払ってくれる人がいないと、ビジネスが成り立ちません。そこで、多くの人にオープンアクセスジャーナルの存在を周知して、投稿を促す必要があります。

最近やたらと、オンラインジャーナルからの投稿依頼のメールが来ます。これは私が”優秀な研究者”だからではなく、メアドのわかる研究者にとりあえずメールを出しているのです。私の研究分野に関連した学術誌ならまだしも、全然関係のない分野の学術誌からもお誘いが来ます。メールの中身を詳しく見ないで廃棄しているのでよくわかりませんが、中には”ハゲタカジャーナル”と呼ばれる粗悪な学術誌も存在しているでしょう。

『論文を書いて投稿する』のが、大学教員の仕事の一部ですが、オンラインジャーナルが多すぎます。こんなポンコツ教員の私にも、一日に10通以上の依頼メールが送られてきます。玉石混交で、見分けが難しいです。

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