アセクシャルとアロマンティック
少し前にNHKで、アセクシャルとアロマンティックをテーマにしたドラマがありました。アセクシャル(asexual)とアロマンティック(aromantic)は、最近、LGBTQ+関連で聞く機会が増えた単語です。アセクシュアルは”他者に対して性的魅力を感じない”、アロマンティックは”他者に対して恋愛感情を抱かない”セクシャリティのことを言うそうです。さらに、”性的欲求・恋愛感情の両方を抱かない”のは、この二つを組み合わせてアロマンティック・アセクシュアルと言うそうです。
LGBTQ+は、性の多様性の中で少数派の”性的マイノリティ”の総称の一つです。ある調査によれば、LGBTQ+の人たちは人口割合にすると約8%だそうです。ところで、最後に”+”がついているのは、性はとても多様であり、LGBTQ以外にもたくさんの性の在り方があることを表わしています。今回は、LGBTQ+の話ではなく、asexualとaromanticに使われてる接頭語”a”に関する英単語の話です。
この接頭語”a”は、”an”や”anti”と同じ意味で、否定を表わします。つまり、sexualの否定なのでasexual、romanticの否定なのでaromanticとなっています。このように否定の接頭語”a”が付いた単語は結構あります。
pathyは、”感情”を意味する単語で、sympathy(同情)やempathy(共感)の語幹にも使われていますが、接頭語の”a”がつくとapathy(無関心)という単語になります。また、archyは政府(政体)を意味する語幹ですが、否定の”a”が付くとanarchy(無政府)を表わします。ただし、この場合は” an apple”のように”a”の後に続く単語が母音で始まるので”an”となっています。カタカナで書くアナーキーは、ほぼ日本語化していて、”無政府状態”も意味しますが”ちょっとイカレた(通常ではない)状態”を意味する言葉として使われています。
まだまだあります。symmetryは”対称”を意味しますが、asymmetyになると”非対称”の意味になります。また、tomは”断面”や”分割”を意味する語幹ですが、これに”a”がついたatomは、”分割でできないもの”すなわち”原子”を表わします。
接頭語の意味を知っていると、知らない単語が出てきても、意味を類推することができますし、覚える英単語の種類を増やすこともできます。ほんの少しでも、勉強のお役に立てれば幸いです。