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やっちまったなぁ! 野外実験あるある

野外で実験をしていると、想定外の出来事に遭遇します。私の研究分野は電気探査や電磁探査なので、野外調査では電線(ビニール線)を使って電場の計測を行ないます。しかし、山中の地表に電線を敷設しているので、野生動物の被害に何度も遭いました。具体的には、野ネズミや野ウサギなどの齧歯類、時には人間にも電線を切られたことがありました。

昨年の野外調査では、電線ではなく太いケーブルだったので、まさか噛み切られないと思っていたのですが、それは大間違いでした。一週間ほどの連続測定を計画していましたが、”人間の匂いが消えた?”三日後くらいに、多くのケーブルが噛み切られました。なんと使用していた半数以上のケーブルが切断されていました。

野生動物対策のため、次回からは仕方なく、コルゲートチューブ↓↓と呼ばれる保護チューブをケーブルに巻くことにしました。コルゲートチューブを巻けば電線は齧られなくなりますが、そのぶん重量が増して作業効率が落ちてしまいます。コルゲートチューブを使った次の野外調査では、動物に噛み切られることもなく、無事に調査を終えました。

コルゲートチューブと内部の電線

このままで大丈夫なのか?、と思っていたら新たな不具合が発生しました。現在進行中のプロジェクトでは、電場と共に磁場も測定しています。その磁場測定には、新しく開発した磁場センサを採用しています。このセンサのテスト実験を伊都キャンパス内で行ったのですが、大惨事が起きました。測定期間中は雨模様だったので、測定機本体はしっかり雨対策を施しました。また、磁場センサについても雨対策を施したつもりだったのですが・・・。

結論から言うと、コルゲートチューブの内部を伝わった雨水が磁場センサ内に進入し、磁場センサが”水没”しました。「やっちまったなぁ!」。動物対策のコルゲートチューブが、雨水をセンサ内に呼び込んでしまいました。

野外調査では、本当に様々な想定外の事態が起こります。でも、これが野外実験です。トラブルがあるたびに、「こんな対策が必要だ」という経験が増えていきます。これが”野外調査あるある”です。

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