見出し画像

磁気嵐と低緯度オーロラとMT法

2024年10月11日の未明、石川県の能登半島北部で低緯度オーロラとみられる現象が確認されました。低緯度オーロラが現れたのは、2日前の10月9日に太陽表面で大きな爆発現象『太陽フレア』が発生した影響です。太陽フレアが発生すると、それによって放出された大量のプラズマ(太陽風)が地球に到達し、地球上で大きな磁気嵐をもたらします。

通常のオーロラは極域でしか見られませんが、大きな磁気嵐の時には低緯度でも観測される場合があります。極域で見られるオーロラは緑色が多いのですが、低緯度オーロラは赤いのが特徴的です。日本でも低緯度オーロラは観測されていて、古くは藤原定家が書いた明月記という日記にも書かれています。その当時の日本では、オーロラのことは、その色の特徴から『赤気せっき』と呼んでいました。

強すぎる磁気嵐は通信機器などに被害を与えますが、私の研究室で現在開発中のMT探査機にとっては、実は好都合です。MT法では自然の地磁気と地電流を測定するのですが、地磁気シグナルが大きいほど品質の良いデータが取れるのです。

正確ではありませんが、太陽の活動周期はおよそ11年といわれています。現在は、来年の活動ピークに向かって、太陽活動が活発な時期に当たっています。我々グループの研究にとっては、またとないチャンスです。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?