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ウラン饅頭と人形峠

 チョッと物騒な名前ですが、『ウラン饅頭』はあります!

 山手線の高田馬場駅の近くの『青柳』という店で、ウランまんじゅうが売られています。これは手塚治虫先生のアトムに出てくる、アトムの妹の”ウラン”の顔をした饅頭です。当然ですが、放射性鉱物の、ウランは入っていません。いまはコロナのために開催されていませんが、早稲田大学の国際会議場では、物理探査学会が毎春開催されていました。コロナが終息したら、是非ウランまんじゅうを買いに行きたいと思っています。

 実は、もう一つのウラン饅頭がかつて存在していました。人形峠(にんぎょうとうげ)は、岡山県苫田郡鏡野町上齋原と鳥取県東伯郡三朝町木地山との間に位置し、両県の県境となる峠です。ここの周辺では嘗て、天然ウランの採掘や精錬が行われていました。現在は、採掘は行われておらず、日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センターの敷地が広がっています。この敷地内にはアトムサイエンス館という博物館が立っているとのことです。ここでも、アトムウランがつながりました。

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 その当時、人形峠のウラン鉱山近くの土産物屋で、”ウランまんじゅう”が実際に売られていたそうです。もちろん、実際にウランが入っていたわけではないでしょうが、今なら在り得ないネーミングセンスです。私は、その饅頭の実物を見たことはありませんが、遺跡関連の見学で偶然に人形峠付近を通た時に、古い土産物屋跡の看板に”ウランまんじゅう”と書いてあるのを見たことがあります。

 人形峠では、ウラン焼という陶器の販売もされていたことがあるそうです。こっちには、実際にウランが少しだけ入っていたそうです。日本のウラン焼きは有名にはなれませんでしたが、欧米のウランガラスは有名です。ガラスにウランを混ぜると、黄色や緑色の色彩を持つ透明なガラスを作ることが出来ます。また、紫外線を当てると蛍光を発します。製造され始めたのは1830年代なので、約190年前のことです。現在では民間でウランを扱うことが難しいため、新製品はほとんど生産されていませんが、古いウランガラスが、アンティークとして高額で取引されているそうです。

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