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超音波と犬笛

弾性波探査の授業で、様々な波動の説明をするため、音波や超音波について説明したことがありました。超音波はよく聞く名称ですが、意外と一般の人はその定義については知りません。

一般的には、超音波とは”周波数が高くて耳に聞こえない音”のことです。人間に聞こえる周波数の範囲(可聴域)は、和太鼓のような低い音(20 Hz)から、蚊の羽音のような高い音(20 kHz)くらいまでの間とされています。ところで、時報に使われている例の音は約880 Hzです。工業分野では、2 kHzや14.5 kHzなど耳に聞こえる音も超音波として扱うため、超音波とは”聞くことを目的としない音波”と定義しています。

このような超音波は、その特徴を活かして、様々な用途に使われています。そのような機械を超音波機器と呼びますが、超音波機器は、大きく動力的応用と通信的応用に二分されます。動力的な応用例は超音波洗浄機で、通信的応用例は医療診断装置としての超音波エコーです。ただし、超音波のちょっと変わった使い方もあります。それが、モスキート音発生装置です。

人間の可聴音域は20Hzから20kHzくらいですが、個人差や年齢差があります。一般的には、加齢によって高音が聞こえにくくなることがわかっています。それを利用/悪用?したのがモスキート音発生装置です。この装置では、蚊の羽音のような高周波(5kHz~18kHz)の不快な音を発生させます。これによって、コンビニや公園などでたむろする若者を”遠ざける/近寄らせない”ようにします。このモスキート音発生装置には、次のような面白いエピソードがあります。

ある町に、夜中に若者たちがたむろして、騒がしい公園がありました。近隣住民たちの要望もあり、若者の撃退対策することになりました。それに選ばれたのが、モスキート音発生装置でした。この装置の設置はそれなりの効果があって、迷惑な若者たちの数は減りました。しかし、今度は公園を訪れる高齢者の数が増える結果となりました。その理由は、自分の老いを認識したくないため、”モスキート音が聞えるかどうかを確認”するために来たのでした。

機械に頼らなくても超音波を発生させることはできます。その例が犬笛です。犬笛は、犬や猫の訓練などに用いられるホイッスル(笛)の一種です。犬笛では、16 kHzから22 kHzの音を出せます。私は犬を飼ってもいないのに、下の写真のような犬笛を、お試しで買ったがありました。

届いた犬笛は早速試してみましたが、オジサンの私には高い音が聞こえないので、超音波が出ているかどうかを確認することが出来ませんでした。超音波の確認は出来ませんでしたが、恰好のネタ作りにはなりました。

犬笛


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