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アイデアを現実に

 思い付いたアイディアを、実際のモノ(ハードウェア/ソフトウェア)に結実させるためには、多くのハードルが立ちはだかります。私がこれまでに出願した特許は20件ほどありますが、そのうち最終的に取得した特許は半分もありません。また、その取得できた特許を利用した製品も、試作段階までは行っていますが、商品化には至っていません。

 特別な原理や法則を使わなくても特許は成立しますし、既存の技術を組み合わせても”スゴイ発明”をすることは可能です。現在当たり前に使われているスマホの無線技術は、イタリアのマルコーニが実用化したものです。マルコーニは研究者ではありませんでしたが、ヘルツの電波の実験に魅せられて、無線通信の実用化に取り組みます。その当時、有線での通信(電信;テレグラフ)は実用化されていましたが、遠くまで情報を送るためには、遠くまで電線を張る必要がありました。

 その当時でも、無線通信のアイディアは既にあり、マルコーニ以前にも実験が試みられていましたが、無線通信の実用化に成功した人はいませんでした。マルコーニは、”新しい発見”などは全くしていませんが、従来の技術を組み合わせて無線通信の実用化に成功しました。この業績によって、マルコーニはノーベル物理学賞を受賞しています。タイタニック号の悲劇の時にはまだ無線通信が実用化されていませんでした。しかし、マルコーニによる無線通信の実用化以後、大型船舶には無線通信装置が設置されることになりました。

 iPadやiPhoneに代表されるタッチパネル操作の通信機器も、それまでに有った技術を組み合わせただけの機械ですが、爆発的に普及しました。これはタッチパネル操作を簡単にした、ハードウェアに合わせたソフトウェア開発の結果でした。

 現在、地熱開発プロジェクトの一環として、地磁気地電流法(MT法)の小型探査装置を開発中です。この探査装置も、特別な部品やセンサ類を使っているわけではありません。現在ある最高のパーツを組み合わせて、最高の探査機械を作ろうとして悪戦苦闘しています。まだ最初の試作機がやっと出来上がった段階で、これから動作チェックや試験調査を実施予定です。

 プロジェクトの期間はあと2年あります。2年後には、アッと驚くような探査機が完成しているかもしれません。これからも、途中経過を不定期にお知らせする予定です。乞うご期待。

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