物理探査における野生動物の脅威
昨日から今日にかけて、久住の高原牧場でのMT調査の試作機の回収とデータ回収に行ってきました。昨日はかなり気温が低かったのですが、6測点分+αの試作機を”ひとまず”回収できました。
”ひとまず”と書いたのは、1週間分のデータにしては、実際の測定データが予想されるデータ数より少なかったからです。その大きな理由が、”野生動物によるケーブルの断線”です。最初に噛み千切られたケーブルを見つけた時には、ガッカリしました。また、次々とケーブルを回収していくうちに、多くのケーブルが噛み千切られていることにショックを受けました。
これまでにも、電気探査を実施して、山の中に張った細い電線(ビニール線)を切られたことが何度もありました。しかし、今回のようにかなり太いケーブル(全8本のツイストペア線)が、いとも簡単に切断されるとは夢にも思っていませんでした。
噛まれたところを見たわけではないので、証拠はないのですが、近くにあった”ころころウンチ”から、犯人はノウサギだと推定しました。ケーブルの切断面は鋭利で、断線の犯人は齧歯類だと思われますが、野ネズミには直径5ミリはあるケーブルの切断は無理がありそうです。
ノウサギの正式な学名はニホンノウサギ(学名:Lepus brachyurus)で、ウサギ目ウサギ科ノウサギ属に分類される日本固有種のウサギです。ニホンノウサギは、東北から九州にかけて広く分布していますが、4種類の亜種がいます。九州にいるのはキュウシュウノウサギで、九州と四国、それと本州の太平洋側に分布しています。
来年はウサギ年です。タイトル画のように、ノウサギは可愛い風貌をしていますが、物探屋にとっては憎き大敵です。今後は、ケーブルを齧られないための対策を練らないといけません。自然を相手にするのは、本当に骨の折れる仕事です。