1秒前の月
いつものように車で大学に向かっていると、進行方向(西)の正面に明るい月が見えました。早朝なので白っぽい色をしていますが、満月の形がくっきりと見えます。
月は地球の衛星で、地球から約38万km離れたところにあります。光速は秒速30万kmですから、私たちが見ている月は”1秒前の過去の月”になります。
約45億年前、火星ほどの大きさの天体が地球に衝突し、地球の地殻の一部を分離させました。それらは地球の周回軌道に到達し、最終的には合体して月を形成しました。これがジャイアントインパクト説による月の生成過程です。マグマオーシャンに覆われていた当時の月は、現在よりも16分の1の距離に位置していました。
月は、徐々に地球から遠ざかっています。現在の月は地球から1年に3.8cm遠ざかっていますが、その後退速度は常に一定ではありません。時間とともに、早くなったり遅くなったりを繰り返しながら、月は”着実に”地球から遠ざかっています。
月は夜見ると明るいですが、太陽のように自ら輝いているわけではありません。月が輝いて見えるのは、月の表面で反射した太陽光を見ているためです。この地表面での太陽光の反射する割合(反射率)をアルベドと言います。アルベドは、0から1の間の値をとります。
地球の平均アルベドは約0.3ですが、月は約0.07です。明るく見える月ですが、意外と太陽光を反射していないことがアルベドからわかります。月に”ウサギの餅つき”のような模様が見られるのは、場所によるアルベドの違いがあるためです。
「お月さま、なに喰ってのかなぁ~」。これは昔、テレビCMで流れていたマルタイラーメンの台詞です。