英語の疑問文や否定文にdoやdoesが出てくる理由
中学校で英語を習い始めて少し経つと、一般動詞というのが出てきます。この文法用語には、個人的には異論があります。それは一先ず置いておくにしても、肯定文には一般動詞しか出てこないのに、疑問文や否定文になると、どこから現れたのか、doやdoesが急に出てきます。簡単な例文で比べると次のようになります。
肯定文: You go to school.
否定文: You do not go to school. (You don't go to school.)
疑問文: Do you go to school?
中学生の時には、この奇妙なdoが必要な理由がよくわかりませんでした。しかし、これにはちゃんとした理屈(理由)があります。実は、肯定文は昔は違う形をしていました。その文型は次の通りです。
昔の肯定文: You do go to school.
昔の肯定文には、一般動詞の前に必ずdoが付いていました。つまり、「do+一般動詞」が動詞の標準形でした。しかし、時間の経過とともに、このdoは省略されることが多くなり、いまでは消滅してしまいました。しかし、その名残りは、次のように強調文として残っています。
強調文: You do go to school. (あなたは今まさに学校に向かっている)
実は、否定文や疑問文にだけdoが現れるのではなく、肯定文のdoが無くなってしまったのです。しかし、この理屈が理解できていると、否定文や疑問文の理解が簡単です。
肯定文: You (do) go to school.
否定文: You do not go to school.
疑問文: Do you go to school?
否定文の場合は、主たる動詞であるdoに否定のnotが付加されます。また、疑問文の場合は語順が変わり、主たる動詞であるdoが先頭に移動します。主語が会話の当事者ではない第三者の場合は、doがdoesに変わります。彼(he)を主語にすると同様に、次のようになります。
肯定文: He (does) go to school. ---> He goes to school.
否定文: He does not go to school.
疑問文: Does he go to school?
このようなdo/doesの語順は、canやwillなどの助動詞を使う時の語順と全く同じです。つまり、do/doesは助動詞として使われています。補足的な説明になりますが、三単現(三人称・単数・現在形)の場合に動詞に加えられるsやesは、doesの名残りです。
助動詞はその名前から、補助的な動詞と思われがちですが、実はそうではありません。重要なのは、むしろ助動詞の方です。個人的には、”主たる動詞”という意味で『主動詞』に改名した方が良いとさえ思っています。ここまでを総合すると、英語の肯定文の語順は次のようになります。
主語 主動詞 副詞 一般動詞 前置詞 ・・・
You (do) often go to zoo.
You do not go to zoo.
蛇足となりますが、疑問文では主動詞が先頭に移動するだけです。なお、私家版英文法では、従来の文法を無視して、動詞をA動詞(主動詞;従来の助動詞)、B動詞(従来のbee動詞)、C動詞(補助動詞;従来の一般動詞)に再分類しています。興味があれば、ご一読ください↓↓。