ボディーガードされた経験、ありますか?
今から20年近く前になりますが、地雷探査の研究をしていた頃、エジプトに実験をするために行ったことがありました。当時は、カンボジアなどに多く埋設された非人道的な対人地雷の探査・除去が社会問題になっていました。対人地雷は、金属製のものは金属探知機でも見つけられますが、金属部分が少ないものは金属探知機では探査が困難な場合があります。
この問題を解決するため、様々なアイディアが検討され、我々の研究室でも比抵抗法を使った地雷探査のアイデアを考案し、特許申請もしていました。このアイディアを実用化するため、エジプト軍の地雷実験場を借りて、テストをすることになりました。エジプト軍の実験場は西砂漠にあって、周りは何もありません。少し離れたところに、列車の線路が走っていましたが、列車は殆どと置ていませんでした。
実験内容についてはココでは説明しませんが、実験期間中(3日間)には黒服を着てサングラスをかけたボディーガードが2名つきました。日本から行った研究者は8名程度でしたから、4人に一人のボディーガードです。このボディーガードは、エジプト軍のご厚意で付けて頂きました。周りは砂漠しかないし、エジプト軍の実験場なので、外部の人が入ってくることはありませんが、ホテルから実験場、実験場からホテルまで、常にボディーガードが付いていました。
彼らとは言葉を交わしませんでしたが、昼休みの休憩中に、目が合った瞬間、背広の後ろに隠してあったサブマシンガンをちらっと見せて、ニコッと笑いました。このときの記憶を頼りに写真を探したら、UZIピストルだったことがわかりました。UZIピストルは、”サブマシンガンのマイクロ UZIからストックを排除した、セミオート射撃のみに限定した大型拳銃である”と書いてありました。この拳銃は、VIP警護や軍特殊部隊向けとして使われるとも書いてあったので、エジプトで見たモノはたぶんこれで間違いありません。
宿泊したのはカイロ市内のホテルでしたが、ホテルの外のレストランに夕食を食べに行ったことがありました。この時にも、ガードマンが付いて来ました。エレベータの乗り降りの時には特に警戒して、まず彼が安全を確認してからでないと、乗り降りできませんでした。ちょっと過剰な対応にも見えましたが、職務に忠実だったんだろうと思います。
これまでの人生で、本物の銃を見たのも、ボディーガードが付いたのも、この一回だけです。個人的に警備会社からボディーガードを雇うと、ボディガードひとりにつき、1日8時間以内で5万円以上かかるそうです。幸いなことに、これから先はボディーガードにお世話になることは無さそうです。
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