ミリしら物理探査#16 シューマン共振
地磁気地電流法(MT法)では、自然の電磁場変動を利用して、地下深部の構造を解明できます。自然の電磁場のうちで低周波なものは、太陽からのプラズマ流である太陽風と地球磁場との相互作用が原因です。一方、高周波な自然電磁場の原因は、シューマン共振あるいはシューマン共鳴(Schumann resonance)と呼ばれる現象が原因です。
シューマン共振は、地球の地表と電離層との間で極極超長波 (ELF波) が反射をして、その波長が地球一周の距離の整数分の一に一致することをいいます。その周波数は、7.83 Hz(一次)、 14.1 Hz(二次)、 20.3 Hz(三次)等と多数存在します。この電磁波は、常に共振し続けているので常時観測が可能なので、MT法の信号としては好都合です。
この現象は、1952年にドイツの物理学者であるシューマン (Schumann) によって発見されたので、このような名称となりました。シューマン共振のエネルギー源は、赤道付近で頻繁に発生する雷放電だといわれています。
シューマン共振の一次の周波数7.83 Hzは、光が1秒間に地球を7.5周することと関係しています。私は小学生の頃は、光が地球を7周半進むことは常識のように思っていましたが、最近は理系の学生でもこのことをあまり知らないようです。地球の一周は4万キロですから、光が1秒間に7.5すれば、4万×7.5=30万キロです。つまり、光速は秒速30万kmとなることが簡単に計算できます。何でもかんでも暗記する必要はありませんが、基本的な知識があれば光速だって瞬時に計算できます。
光速を知らない理系学生がいても驚きませんが、数年前に単三電池の電圧が1.5Vであることを知らない学生がいて驚きました。もちろん、電池の電圧を知らなくても生きていけますが、物事に無関心なのはいただけません。最近はアルカリ電池やリチウム電池など様々な電圧の電池があるので、電池=1.5Vが常識ではないことは知っているのですが・・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?