フーコーの振り子
フーコーの振り子は、地球の自転現象を演示する実験装置です。自転運動する物体上で、長い弦をもつ周期の長い振り子を長時間振動させると、次第に振動面が変化することが観察できます。フーコーの振り子は、フランスのレオン・フーコーが考案し、1851年にパリのパンテオンで公開実験を行ないました。
私が初めてフーコーの振り子を見たのは長崎でした。大学生の頃、長崎大の友人の下宿に遊びに行った際に、その振り子のある場所に案内してもらいました。その場所は、フーコーの振り子とは関係なさそうな長崎市内の福済寺でした。このお寺は、巨大きな亀に乗った観音様が有名です。この観音様は高さ18m、重さ35tで、原爆の犠牲者を弔うためと、世界平和を祈るために1979年に建立されました。この観音像の空洞中(地下室)にフーコーの振り子が設置されています。設置された当時は、振り子の紐の長さが25.1mで日本一でした。
地球の自転を証明するためのフーコーの振り子ですが、ちょっと探すと日本の至る所にありました。私の研究室がある九州大学伊都キャンパスのウエスト2号館にも、フーコーの振り子があります。この振り子の紐は、11階から2階の吹き抜けを利用して長さは40.6mもあり、現時点で日本一です。
フーコーの振り子とは無関係ですが、ウエスト2号館のエントランス付近には、昭和21年8月に採鉱学科の岡本要八郎博士が島根県馬谷城山鉱山にて発見した巨大な水晶が展示されています。この水晶の重さは約1tで、標本として保存されている国産の水晶としては国内最大級です。