「第3章 電気探査」の扉
魚のなかには,電気を発生する能力を進化させたものが数多く存在します.強い電気を出し,馬のような大きな動物をも感電させてしまう,デンキウナギはあまりにも有名です.デンキナマズも,その学名中にelectricus(電気)とあるように,体内の発電器官によって水中に電気を流すことができます.デンキナマズの中には最大350 Vもの発電能力を持つ種類もいて,デンキウナギに次ぐ発電力の持ち主です.
このような電気魚と人間との関わりは古く,古代エジプトのヒエログリフにはシビレエイによる感電のことが描かれているそうです.勝手な想像ですが,人類と電気現象とのファーストコンタクトは,電気魚による感電だったかもしれません.デンキナマズの発電の目的は,体の周りに電場を作るためで,体周辺の電場の乱れから餌となる小魚の位置を探るそうです.このように,デンキナマズも物理探査する生物の仲間です.しかし,なぜ自分自身は電気で痺れないのでしょうか.不思議です.
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