ラリー・カールトンをコピーしてみて
最近ラリー・カールトンをコピーしている56歳です。
ラリー・カールトンは中学の時に知ったのですが、その当時、時代のムーブメントになりつつあったフュージョンギタリストの一番手という感じでした。まだ、リー・リトナーは新鋭という扱いでしたね。
当時、アメリカのバークレー音楽学院に留学経験のあるお兄さんにたまに教えてもらっていたのですが、師匠もまたバークレーでラリー・カールトンに教えてもらった事があったらしく大絶賛でした。これ聴けって言われて聞いていたのですが、AC/DCを聴いている13歳にはなかなか入ってこなかったです。"STRIKES TWICE"はロックみたいで聴きやすかったですが。
本格的に好きになったのは高校生の頃だったか、"Alone/ but never alone"というアコギのアルバムあたりからでした。※それまでのアルバムも全部聴いてはいたのですが。
1ギタリストの感性はどんどん変化してくもので、このあたりからパットメセニーにどはまりし、昔のギタリストの印象だったジェフベックの恰好良さが分かり始め、当然ラリーカールトンの過去アルバムも再び聞きまくるようになりました。
パットメセニー、ラリーカールトン、ジェフベックは今でもずっと聴き続けています。
ラリーカールトンのソロですが、ロックばかりコピーしていた事もあり、当時はまったくコピーする気がなく、ただ聴くだけでした。またこんなフレーズ弾けるはずないと思い込んでもいました。
人生の後半に1市民ギタリストとして思い残すのは、パットメセニー、ラリーカールトンをコピーさえ一度もしていないという事だと気づき、で、昨年あたりから頑張っています。
まぁ、そのプレイはとにかく美しく難解なのですが、思う以上に左手ギタリストなので、絶対的にスピードがないと出来ないピッキングタイプのアルディメオラ、スティーブ・モーズなんかと比べると1日1日努力すれば少しずつギリ何とかなるギタースタイルです。細かいニュアンスはなかなか真似できないのですが、一応現在弾けるようになった(なる予定)のは下記の楽曲です。
"All in good time"
"breaking ground"
"Bubble Shuffle"
"Cruisin'"
"Night clawler"
"Rio samba"
"Room335"
"Smiles and Smiles To Go"
"Song for Katie"
"Blues Bird(途中)"
"Southtown(未着手、オープニングコピー出来るかな)"
で、ここからがプレイスタイルの感想ですが
・ルートに対してメジャースケールとマイナースケールの行き来がエグく
・メジャースケールとペンタトニックスケールの使い分け、音選びが上手く
・でそこにクロマチック・スケールを本当に見事に組み込んで聴く者の情緒をあげて
・スライドをとんでもなく多用して、滑らかさを出して
・4~5弦またぎのアルペジオ(スイープかなー)も結構入れ込んで
・1音~1音半をそのまま継続させるようなチョーキングがとにかく上手く
・メロディと共に音のリズムの取り方も華麗
という感じです。
そこに本人が言う理論で説明出来ない、言葉で伝えられない「何か?」閃きみたいなものが入ってきてとんでもないソロが出来上がる。
聴いてるだけだとお洒落で美しいギターソロって印象だったのですが、弾いてみると初期の頃から結構ブルースなんですよね。ジャズの要素はどっちかと言うと曲のコード進行とか・バッキングの方に多く入っているのかなと。※単なる印象 BBキングが好きって話も聞いた事があるのですが、多彩なチョーキングニュアンスとかはその人達の影響なのかもしれません。
しかもこの人たちは即興演奏家なので、こんなとんでもないソロを瞬間で弾いてしまう。やっぱりギフティッドと思ってしまいます。一流のギタリストは1日8時間とか、10時間とか練習してきた猛者なので彼らにもそのあたりの感想を聞いてみたいものです。
「僕はプロなのでお客さんに失礼にならないように1日8時間は練習する」みたいな事をジョー・パスが語っていたらしいですね。凄いですよね。※ニュアンス違ったらすみません。
40年前のラリーカールトンの即興を1ヶ月ぐらいかけて何とか弾く事だけは出来ている近頃ですが、改めて天才ぶり、楽曲・ソロのメロディの素晴らしさが伝わります。やって良かった(笑)