見出し画像

ひでGのこだわり映画館14

映画魂に震えろ!
「侍タイムスリッパー」




シネマロサに行きたかったけど、あっという間に、地元のイオンシネマでも上映!
こういう低予算で頑張って作った作品が報われるのは日本映画にとって、とても好ましいことだと思います。(日曜午前の回でしたがかなり入っていました!)
あの「カメ止め」現象を再び!って熱さを期待している方も多いでしょうが、これから観る方はあまりハードルを上げずに気楽に、おおらかに観るとさらに楽しめると思います。

コメディテイストですが、少し凸凹感があり、ちょっと外していたり、オリジナリティがなかったりする場面もありますが(落ちたり滑ったりのNGは寅さんのインスパイアということで、、🙆 
一番面白かったのは、殺陣師関本先生との殺陣の稽古、あそこは2人の動きで笑いもキマッタ!
それから、いちいちの高坂新左衛門の受け答えが良いですね。(新左衛門のことは後程)

まあ、細かいことは置いておいて、本作の最大の魅力は、長年積み上げてきた殺陣や斬られの技、それに対する誇りとそれを守っていきたいというものづくりへのこだわりや愛情の深さだと思う。
それが多少の凸凹感ややや停滞している話の進め方などマイナス点も押しのけていく熱さや真摯さがある。
そう、まさに「ザ・侍ムービー」だ!

大部屋の斬られ役の悲哀というと、名作「鎌田行進曲」も思い出すが、「蒲田〜」がまだ映画全盛期の中の脇役なのだが、今回は時代劇自体がエンタメ全体の脇役、もう消える寸前なのだ。
だからこそ、劇中の人たちも、この作品を自腹で作った人たちからも残したい、伝えたいという必死さが伝わってきたのだと思う。
助監督役の沙倉ゆうのさんは、本作の助監督でもあったとのこと、劇中映画と本作自体のシンクロもこの映画独特の味わいになったのだろう。

味わいと言えば、出ている役者さんたちが本当に素晴らしい👍
その代表が高坂新左衛門役の山口馬木也さんだ。華やかな役者人生ではなかったかもしれないが、殺陣や所作の美しさなど積み上げた表現力の確実さと、「かたじけない」とばかりに常に謙虚な姿勢は、まさにタイムスリップした侍そのものだった!
クライマックスの殺陣は本当に緊迫感MAXだった。

まだまだこんな映画が受けて売れることは日本映画(エンタメ)も捨てたもんじゃないよなあと思う反面、同じように(規模が全然違うが)アメリカで評価された真田広之の作品に対して、一時的に結果だけを取り上げて、あとはポイのマスコミの取り上げ方に、大いに不満と不安を感じてしまう。

まあ、とにかく楽しい映画です!

いいなと思ったら応援しよう!