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一撃必殺。コンセプトの魔力を知ってますか?

コンセプトの魔力


これさえできたら、他のことは
どうにでもなる。
 
それが「コンセプト」
 
コンセプトさえバチッと決まれば、
多少マーケティングもセールスも
おろそかでも大丈夫。
 
「コンセプト」はブランドの核となり、
家を建てる時の柱を支える礎のようなもの。
 
ここが弱いと、柱も立たないし、
ブランドの存在意義も薄い。
 
しかし、強ければそれだけで「熱狂的な
お客さん」を魔法のように惹きつけます。
 
「コンセプト」には魔力が宿るんです。
 
では、どうやったら魔法のような
「コンセプト」を作れるのか?

そもそも「コンセプト」は?
wikiってみると。

1.概念。
2.企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方。 

「おいおい、ざっくりしすぎだろ・・」

でも、観点・考え方 ここはポイント。

コンセプトを作る作業を
コンセプトメイキングと呼びます。(そのままではある)

 
コンセプトメイキングについて、
高橋宣行さんの本でよく書かれています。



とってもわかりやすいので、
参考にさせていただきます。
 
 
まず、コンセプトメイキングするときには。

「発見」と「言語化」


 大きく「発見」と「言語化」の
二つのポイントにわけられます。
 

「発見(イメージ)」のフェーズ
1,今までの概念を壊しているか、常識を変えているか
2,新しい視点、新しい切り口でアプローチしているか
3,ユニークで、新鮮な提案があるか
4,将来のニーズを予感できるか、どこまで魅力的か

 
「言葉化(リアル)」 のフェーズ
1,差が見えるか、違いが伝わるキーワードか
2,信じられるか、共感できるか
3,戦略的でイメージが拡がるか
4,分かりやすくコミュニケーションしやすいか
5,世の中の、暮らしの、変化が読めるか

 
うんうん、どれも確かに納得。
 
しかしぶっちゃけ、上記が全てOKになるって
かなりレベルが高い。
 
これが出来たら、iphoneのようなもの
が作れそうw
 
それまでのガラケーを陳腐化させて
世界が変わってしまうほどのインパクト。
 
残念ながら、私はそこまで
天才ではないので、
 
まずはひとつでも取り入れる
ところから始めています。
 
そんな中でもファッションブランドで
めちゃくちゃ重要なのが、
 
「新しい視点、新しい切り口でアプローチしているか 」
「信じられるか、共感できるか 」
「世の中の、暮らしの、変化が読めるか」

 
この3つだと考えています。

現状把握から始めよう


まずはいま、世の中や市場で起こっていることを
把握するところから始めます。
 
そのために、新聞読んだり専門誌読んだり
することも大事ですが、やっぱり効果的なのは
人と話すことです。
 
館の人から情報を聞いたり、ブランドの
人と話したり、インフルエンサーに質問したり。

※館(やかた)とは、ファッションビルや
百貨店などのデベロッパーを指す業界用語
 
ここで気をつけたいことがあります。
 
「〇〇らしい」というような確定的では
ない情報が出る場合があります。
 
信用できるのかどうかを
確認する必要があります。 

このような情報は、話している本人が直接
確認しているものか数値化されているものなのか。


証拠があるものをベースに状況証拠を
集めて確認していきます。
 
ただ、数値がでていたとしても気をつけなければ
いけないこともあります。
 
先日もあったのですが、あるD2Cブランドが
初日の売上◯千万円という新聞記事がありました。
 
「まじか〜、そんなに売れたんだ〜」
 
と思いながら、その新聞の記者さんへ
確認の電話をしたところ。
 
数字はホントだけど、内容は身内で買って
水増ししていたことがわかりました。
 
そんなの詐称じゃん!ってなりますが、
出版の業界では当たり前のように行われています。
(みんながやってるとは言ってませんよ) 


Amazonランキングをあげたり、書店の店内
ランキングあげたりするるために、身内が頑張って買い増し。
 
微妙なところですが、嘘ではないけど

100%真実とも呼べない。

なので、中身も調べずに表面的な情報や
「らしい」情報を信じると危険です。
 
実際に計測する数字はあがっていたと
しても、一度立ち止まって確認しましょう。

光の当て方を変える

コンセプトを考える上で、一番の
醍醐味
はここだと思います。
 
「新しい視点、新しい切り口でアプローチしているか 」
 
ここ数年私のもとに相談に来るのは、新規ブランドの
立ち上げか既存ブランドのリブランド。
 
それがおよそ半々くらい。
 
この二つはコンセプトを作るときに、
かなりやることが変わります。
 
例えば、ゼロからD2Cブランドをはじめる場合は、
市場のスキマを見て、ニッチ戦略をとることができます。
 
しかし、明確なコンセプトがなく、すでに
ブランドをやっている。
 
そんなケースもよくあります。
 
 
既存のブランドを立て直すには、新しい切り口の
アプローチが効果的
です。
 
私が既存ブランドをリブランドするときに
使っているフレームがこれ。
 

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・商品 ・ターゲット ・販売方法
 
既存のブランドの場合、すでに商品在庫が
あるので「商品」は変えられない
ケースが多いです。
 
となると、変えることができるのは
「ターゲット」と「販売方法」のどちらか。
 
ここで必要になるのが「コンセプト」です。
 
同じ商品でも光の当て方によって、
別の商品のように変化
します。
 
例えが古いけど、
朝専用缶コーヒーのワンダ。
 
販売方法は変えなくて、「ターゲット」
をビジネスマンに絞った好例。
 
当時の市場では甘いとか苦いとか、
ミルク多いとか少ないとかの軸の中に、
 
突如、朝と夜の時間軸と男女の軸を
持ってきて一気にブランドを築きました。

 

「コンセプト」を変えたことで
ヒットした例をもう一つ。
 
ウチの会社の事業でオーダースーツを
販売する事業があります。
 
現在のビジネスモデルは、完全に口コミだけで
オーダースーツのデザインと仕立てを受けています。 

最初のコンセプトでは、
 
商品:オーダーメイドスーツ
ターゲット:ファッションが好きな若者
販売方法:セレクトショップでのポップアップ
コンセプト:ファーストオーダースーツ

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 そこそこ話題になり売れてはいましたが、
手間がかかる割には薄利のモデルでした。
 
これを
 
商品:オーダーメイドスーツ
ターゲット:会社経営者、セミナー講師
販売方法:口コミ
コンセプト:ファッションデザイナーが作るあなただけのオーダースーツ


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「コンセプト」を変えました。
 
当時私は福山雅治さんのステージ衣装の
デザインをやらせていただいていました。
 
これをフックにして、経営者が集まる
場所でオーダースーツをプレゼンしていきました。
 
しかし、プレゼンしている割に、お客さんを
一人一人採寸しデザインするため、とても時間がかかりました。 
 
最初にオーダーをまとめたあと、それ以降は
ご紹介だけのオーダーを受けることにしました。
 
オーダーしたくても、オーダーできない、
希少性がどんどん膨らむ状況になり。
 
しばらくすると口コミが起こり、ファッション感度
の高い経営者やセミナー講師がこぞって
オーダーしに来ました。
 
元の単価は10万円だったものが、生地のレベルも
仕立てのクオリティも上げ、25万〜30万円になりました。
 
総額でいうと、過去3年の売上額を
わずか半年で追い越しました。
 
採寸してお客さんと話してデザインを決める。
私がやっていることは変わりません。
 
光の当て方を変えることで、全く違う
お客さんがやってきます。

ターゲットを180°変える

 私の通販ビジネスの師匠は、ある女性用
下着メーカーからこんな依頼を受けました。
 
ブラの材料が大量に余っているので
なんとかしてほしい・・。
 
まあ、普通に考えたらキャミソールや
他の下着を作りそうなもんですが、
 
この師匠は、とんでもなく斜め上
から切り口を変えてきました。
 
まさかの「メンズ専用ブラ」😵😵😵
 

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めちゃくちゃふざけた話ですが、
ここまでふざけていると、マスコミも
放っておきません。
 
案の定、バズりまくり、
楽天で大ブレイク。

大量の在庫を消化したという
伝説がありました。
 
かなり豪快な例ではありますが、
光の当てる場所を変えるだけ。
 
それだけで、同じ商品でも
全く違う市場が開くのです。

 コンセプトは一撃必殺の魔法

 
既存のブランドをリブランドするのではなく
新たにブランドを作るとき。
 
そんなときに、もっとも時間をかけるのが
コンセプトメイキングです。
 
例えばJuemiの場合、ブランド設立
当初にはかなり時間をかけました。

何度もディレクターの子と話しあい
文字に起こしては、世界観にフィットするか
を確かめました。
 
そもそもディレクター自身が共感しない
コンセプトはまず「熱狂的なファン」を
作れません。

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Juemiはブランド立ち上げ当初、
艶のある女性らしさを打ち出しました。
 
スタートしたての割には、そこそこ売れてはいましたが、
いまいちエッジが立っていませんでした。
 
そこで、さらに何度もコンセプトを考え直して
みました。
 
こんなときこそ、現状を洞察することが大事です。
 
市場を見てみるといわゆる女性ディレクターが作る
女性らしい服は世の中に腐るほどあることに気が付きました。
 
自分たちでは違いを出せていると思っていても
お客さんからは似たりよったりに見えていることも
よくあります。
 
そんな折、ひとつのきっかけがありました。
 
ディレクターがインスタで着ていた古着の
ハーレーTシャツのスタイリング。
 
他の投稿と比べて最多のコメントが
寄せられていたのを見ました。
 
「なぜ、古着のプリントTEEにそんなに
コメントが来るのか?」
 
分析開始です。
 
その頃、レディスブランドでプリント
TEEを看板商品としているブランドはほぼ
ありませんでした。
 
もしかして、レディスブランドなのに、
裏原ブランドのような服作りがウケるかも・・・。
 
そこで出たのが、
「レディス発のストリートブランド」
というコンセプト
でした。
 
当時はXガールや、ステューシーレディス
あたりがストリートブランドとして出ていました。
 
しかし、それはあくまでメンズ派生のストリート
ウェアであって、女性らしい艶を感じることは
ありませんでした。
 
Juemiでは、女性らしい肌の見せ方をする
服とプリントTEEをあわせてスタイリングをします。

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このコンセプトがあたり、Tシャツがバズりまくり、
ディレクターのインスタ投稿を真似たファンの子達の
投稿をインスタで毎日見かけるようになりました。
 
そして当時、梅田阪急で開催したポップアップでは、
館の最高記録の売上を作ることにも出来ました。
 
そこそこ売れているニッチブランドから、
魔法のようにマーケットリーダーになった瞬間でした。
 
例え同じブランドでも、光の当て方を変え
るだけで、全く違う売れ方をします。

まさに一撃必殺。


私がおすすめするコンセプトメイキングの
フレームはこれです。

1,「市場を洞察する」
2,「新しい視点、新しい切り口でアプローチしているか 」
3.「信じられるか、共感できるか 」
4,「世の中の、暮らしの、変化が読めるか」

 

 商品<コンセプト

あなたが今売っているその商品やブランドには
まだ見えていない良さがきっとあります。
 
もしかしたら、今の3倍、5倍ヒットする
市場があるかもしれない。
 
この探究心が大事です。
 
服作りはデザイン画を書くところから、
サンプル制作、生産と、とても時間がかかります。
 
ゼロから商品を作ることは、
ほんとに大変です。
 
私も服作りを20年以上続けている
ので、よく分かります。
 
なので、せっかく作った商品は
きっちりお客さんの手元に届けてあげたい。
 
在庫を残せば、それまでの労力は
報われず、ただ、地球のゴミを増やすだけ。
 
そうなる前に、じつは商品を作る前に
コンセプトを練り込みましょう。
 
そして、小さく作ってテストテスト。
 
走り始めに時間がかかるかもしれませんが、
結果あとで修正するよりよほど楽です。
 
可愛くて安いを打ち出したフォーエバー21や
H&Mが軒並み日本の市場から退場しています。
 
コンセプトのない服は市場に必要が
無くなりました。
 
多少商品が売れないからといって、
原因は全て商品にあるわけではない。
 
まだ適切なターゲットに届いていない
だけかもしれない。

 
今回はそこが伝わっていたら
嬉しいです。
 
長くなったので、続きはまた
次回書きますね。

最後まで読んでくれてありがとうございました。


 
ホンマヒデ

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