最近うちのブランド売れてないなぁ。と思ったときに読むブログ
こんにちは、本間です。
ここ最近、重要かつ緊急な案件を増やしてしまい、ドッタンバッタンな
時間を過ごしていました。
おかげさま、ここまで手を付けれていなかった分野も詳しくなり
スキルアップもしたので、このnoteでまたシェアしていきますね。
いきなりではありますが、
「売上が伸び悩んでいるなぁ〜・・、もしかして、見落としていることはありませんか?」
って話なのですが、自戒の念も込めて書いてます。
P2Cファッションブランドもある程度こなれてくると、デビュー当時の勢いや流れも落ち着いて、いわゆる階段の踊り場のような状態がやってきます。
これはファッションブランドに限らず、物販、サービス提供、客商売であれば皆共通する話だと思います。
「あなたのブランド、本当に顧客の心を掴んでいますか?売れ筋商品があるのにリピーターが増えない、そんな状況はありませんか?」
インフルエンサーだけの人気や、一過性のトレンドに頼って売上を作っていると、言わずもがな次第に階段の踊り場がやってきます。
「マーケティングに力を入れているはずなのに、なぜか顧客さんからの反応が薄い。この状況、何かのサインじゃないの?」
その力を入れているマーケティング自体が、顧客さんが望んでいるものでは
なく、独りよがりになっていませんか。
もしかしたら、顧客さんとの新鮮で深いコミュニケーションが足りていないのかもしれません。
「ちょっと待って!値段は顧客さんにとって重要な問題じゃない。本当に見てるものって何?」
販売戦略の中に、商品の値引き、ディスカウントがあります。
例えばシーズンオフになり、ファッションに特化しブランドであればあるほど、価格をどれだけ下げたとしても響かないものは響きません。
100円の水が10円で売られていたら、まあ、安いから買っておくか水なら飲むだろうし。って人は買ってくれますが、
10,000円の服を1,000円にしたからと言って、自分の趣味やセンスに共感していない商品でなければ、あなたも買わないのではないでしょうか。
ちなみに、値引きで買ってくれるお客さんというのは、理想のお客さんではありません。新規の獲得やお試しの意味を込めて価格でフックを作るというのはありですが、優良な顧客さんこそ、たくさんお金を払ってくれる人です。
つまり、あなたのブランドや商品に対して、「価値」を最も感じている人が優良な顧客さんになってほしいのです。
やっぱり、LTV(生涯顧客価値)しか勝たん
というわけで、「今さらLTVかよ〜」の人も「なんすかLTV」の人も、結局ブランドというのは、LTVなくして成長なしなので、今日はそこ掘り下げていきます。
まず、LTVって何すかって人もいると思うので、説明していきます。
LTV=ライフタイムバリューの略で日本語だと生涯顧客価値と呼ばれています。
ざっくりゆうと、あなたのブランドの商品を初めて購入したときから、もう買わなくなってしまう時間のことを指します。
こんにちは〜から、さようなら〜、までの時間ということです。
まあ実際のお客様は、さようなら〜って言っていなくなる人がほぼいないと思うので、あの人最近来なくなったよね、というタイミングだと思っていてください。
で、このLTVというのは、もちろん短いよりも長いほうがいいわけで、基本最初の商品よりも二回目、三回目の購入のほうが購入金額も高くなります。
一回しか買ってくれないお客様でブランドを続けていこうとすると、ずっと新規集客の施策が必要になります。
新規のお客様とリピートのお客様だとどちらに買ってもらうのが難しいと思いますか?
もちろん新規に買ってもらう方がはるかに難しいです。
一度あなたの商品を購入してくれて、関係構築ができている相手であれば、商品の信用、ブランドへの信頼もあるのでリピートで購入してくれることは難しくありません。
これに比べて、あなたのブランドを知らない見込客に対して、買ってもらうには、まずは知ってもらって、興味を持ってもらって、他と比較検討されて、それでも欲しいとなったら、ようやく購入してもらうことができます。
なので、新規購入のほうが広告コストも、手間もかかるということが一般的に言われています。
ただ、気をつけたいのは、インフルエンサーブランド、いわゆるP2Cモデルのブランドにとって、最初の購入こそ、インフルエンサーがいることにより楽になることも多いのです。
すでにファンの場合は、お祭りムードやお布施や応援として商品を購入することもあります。インルエンサー個人の信用力に基づいて買ってもらった場合、じつは、二回目の購買率がガタ落ちになることも珍しくありません。
これは、新規購入で届いた商品の「価値」がその金額に見合わなかったこと以外にほかなりません。
なので、フラッシュマーケティング的に一つの商品をバーンと売っちゃって、売り切り。
というモデルではなくブランドとして成り立たせていくためには、必ず商品力というのもブランドが成長する上でも必要な要素になります。
商品力については、また次回以降で伝えますので、
今回は、LTVを知ることでどれだけあなたのブランドの成長を助ける鍵になるかについて続けていきます。
売上を上げるたった3つの方法
本の中でも、noteでも何度も伝えていますが、売上を伸ばすにはこの3つの全てをやっていくしかありません。
売上=客単価 ✕ 客数 ✕ リピート(購入頻度)
で、LTVとは、この中の一番右、リピートととても深く
結びついています。
LTVの一般的な計算式
LTVを計算するには、いくつかの基本的な指標を理解する必要があります。一般的な計算式は以下の通りです。
LTV=
平均購買価格✕1顧客当たりの年間購買回数
✕顧客がブランドと関係を続ける平均年数
計算式の要素解説
平均購買価格: これは顧客が一度の購入で平均的にどれくらいの金額を支払うかを示します。すべての購入を合計して、購入回数で割ることで計算できます。
1顧客当たりの年間購買回数: 一年間に顧客が何回購入するかの平均値です。これを知ることで、顧客の購買頻度を把握できます。
顧客がブランドと関係を続ける平均年数: 顧客がブランドとの関係を維持する平均的な期間です。この期間が長いほど、顧客からの生涯収益も高くなります。
例
算数が始まります。
あるブランドの顧客が平均で1回の購入に10000円支払い、年に5回購入するとします。この顧客が平均して3年間ブランドと関係を続ける場合、その顧客のLTVは次のように計算できます:
LTV=10000円×5回×3年= 15万円
この計算により、一人の顧客がこのブランドにとって長期的には15万円の価値を持つことが分かります。
さらに、一人あたりのLTVが15万円だとして、さらにその商品原価が35%だとすると、15万円ー52,500円(原価35%)粗利益で97,500円残になります。
理論上は新規のお客さんへ97,500円のプレゼントをしたとしても、一度購入してもらえれば損はしないという計算が成り立ちます。
とはいえ、人件費やその他のマーケティングコスト等もあるので一概にいいきれませんが、大切なのは、この情報をもとに、顧客獲得コスト(CAC)と比較して、マーケティング戦略や顧客維持戦略が効果的かどうかを評価できます。
簡単に言うと、LTVがわからずして適正な広告費も決められないということです。
ファッションブランドのLTV向上戦略
大きく分けて、ファッションブランドのLTVを伸ばす
コンセプトは以下の5つをまず考えていきます。
1,顧客中心のブランド戦略の展開
2,ブランドポジショニングの明確化
3,SNSとコンテンツマーケティング、ストーリーテリングの統合
4,データ駆動型マーケティングの強化
5,オムニチャネル戦略の推進
それぞれを解説していきます。
1,顧客中心のブランド戦略の展開
ファッションブランドが顧客中心の姿勢を見せることで、顧客が特別な価値を感じ、満足する体験を提供することが重要です。例えば、顧客の希望に基づいてジーンズのフィット感を改善したり、オンデマンド式でグラフィックTEEを提供したり、顧客一人ひとりの購買データに基づいたパーソナライズされたメールマーケティングを行うことも効果的です。また、LINEカスタマーサポートを提供することで、購入後も顧客の不安や問題を迅速に解決し、長期的な関係を築くことができます。これらの戦略は、顧客がブランドに対して持続的な満足と信頼を感じるための鍵となります。
2,ブランドポジショニングの明確化
ブランドポジショニングの明確化では、特定のカルチャーや趣味に寄り添うことも重要です。自分たちのブランドはこういうものが好きだ、こういう趣向だ、物事に対してこういう考え方を持っているというアティチュードが問われます。これらのメッセージをブランドとインフルエンサーの二軸で伝えていきます。アーティストブランドやアスリートのブランドなどは際立ちやすいので、その業界内では他と差別化されて独自のポジションを取りやすいです。一言で言えば「唯一無二」になるということです。
先日著名なゲーム実況のYoutuberが作るアパレルブランドの話を聞きましたが、売上もさることながら、お客様の殆どがリピートしていると聞いて驚きました。
3,SNSとコンテンツマーケティング、ストーリーテリングの統合
SNS、コンテンツマーケティング、ストーリーテリングを統合することは、ブランドが顧客との繋がりを強化する上で効果的です。ストーリーテリングを用いてブランドの個性や価値を伝え、SNSでこれらの話をリアルタイムに共有することで、顧客とのエンゲージメントを促します。例えばレディスのスローライフを重視するファッションブランドの場合、リラックスした生活や自然との調和、食をテーマにしたコレクションをSNSで紹介します。彼らは、着心地の良い服装で過ごす日常や、スローフード、ヨガ、食事、瞑想などの活動を通じて得られる平和な瞬間のストーリーを共有し、フォロワーに自撮り写真や体験談を投稿するよう奨励します。これ系のブランドの場合は、ポイントバックや◯◯◯円OFFなどのインセンティブよりも、コミュニティ意識が高まるインセンティブがおすすめです。なかには、自己啓発的なメッセージを続けることもよいでしょう。これにより、ブランドと顧客は共通の価値観を共有し、深い繋がりを築いていきます。
4,データ駆動型マーケティングの強化
データ駆動型マーケティングって聞くと難しそうですが、例えば、ECの購入データを使って、顧客を追尾して広告を出し続けるリターゲティングなどがその一つです。また、ECでも店頭でも顧客の購買データが有れば、次の一手が打てます。
いきなりですが、ここで問題です。
以下の中で一番大切なデータはなんでしょうか。
・過去一年間で、購買金額が高い顧客のデータ
・過去一年間で、購買回数が高い顧客のデータ
・過去一年間で、直近購入してくれた顧客データ
正解はどれも全て大事です。これらの3つのデータを組み合わせることでRFM分析が出来て、誰が一番ブランドに貢献してくれているのかがわかります。これをもとに新たなマーケ戦略が作れます。RFM分析についてはとても複雑で時間がかかる分析なのですが、これまで1日かかっていた分析が、15分で簡単に分析できる方法を開発したので、それはまた共有していきますね。
特にリアル店舗を持つブランドに使える戦略になります。
5,オムニチャネル戦略の推進
ざっくりいうと、下の絵が全てなのですが、ブランドからお客様と接地する箇所をマルチアングルで増やすということです。
ただ小規模なブランドでは全てを包括するのはコストも手間も多いので、できるところから徐々に増やしましょう。特にリアル店舗に関しては、まずはポップアップを日本中でやってみるのもトライアルとしてもとても良いです。ECだけで購入しているよりもオフラインも絡めたほうが、総購入金額も単価も上がるというデータもあります。そして、ECだけでなく、オムニチャネルの最大のポイントは、人の温度を感じさせることです。ポップアップストアであれば、ディレクター、デザイナーが自分のキャラクターを存分に出して顧客とコンタクト取ることも大事ですし、販売員しかいないリアル店舗でも存分に接客時にキャラを伝えることが大事です。そうでない場合は、結局ECでしか買ってくれなくなりますし、ECだけだと接客ができないので、ブランドの世界観を作るコーデを組めなかったり、あくまでパッシブ(受け身)の姿勢になってしまいます。
オムニチャネル最大のポイントは、あえての属人化です。
継続的にお客様に関与してもらうには
物事には、はじまりがあれば、必ず終わりがやってきます。
これはもちろんブランドビジネスにとっても同じことです。
とはいえ、たった一度しか買ってもらえなかったというのは、あまりにもお客様に「価値」を感じてもらえなかったということ。
お客様がリピートしない理由は星の数ほどあります。
あなたの商品に満足せずに「価値」を感じられなかったのかもしれないし。
なにか失礼な態度があったのかもしれない。
すでに沢山のあなたの商品を買いすぎて、どのアイテムにも新鮮味を感じなくなってしまったのかもしれないし、
ブランドメッセージが変わりすぎて、今の商品には魅力を感じなくなったのかもしれない。
もしかしたら、ただ海外へ引っ越してしまっただけかもしれないし、
すっかりさっぱり忘れてしまっているだけかもしれない。
などなど、理由はどれだけでもあります。
ただ一つ言えることは、物事には、はじまりがあれば、必ず終わりがやって来るということ。
去ってしまったお客さんに対して、分析する必要はあっても悲しみにくれている時間はありません。リピートしない理由を仮説検証し、ブランドを今より成長させていくためにも、今の既存のお客様にはエンゲージメントを高め続ける必要があります。
例えば、インスタひとつとってみても、投稿やブランドメッセージに変化を加えてみたり、コンテンツを厚くしてみたり、個別のメッセージを丁寧に返していくことでもエンゲージは高まっていきます。
ざっくり戦術を書き出すだけも、リピート購入を促す施策はこれまたたくさんあります・
リピート購入率アップ戦術
・スタンプカード
・ポイントシステム
・ランキングシステム
・サブスクシステム
・クーポン、ノベルティ
・メルマガ
・DM
・季節のお知らせ、チラシ
・口コミ紹介インセンティブ
・購入者向けイベント
・ファンクラブイベント
・メンテ、フォロー
・バースデーDM
・カスタムサービス
・定期ミーティング
・ファンサイト
・アンケート
・対面インタビュー会
などなど、思いつくものを書き綴るだけでも、どれだけでも戦術はできてきます。上記で出てきたものをさらに組み合わせることもありです。
これらを全てやるのが正しいわけでなく、それよりもこれらを適切なタイミングであなたのブランドに合ったものをやるのがポイントです。
例えば、これまでの私の経験上ではレディスブランドであれば、やはりポイントシステムが有効だったり、P2Cブランドなのであれば、ファンミーティングやオフラインイベントが大きなインパクトを出してきました。
逆に35歳以上の男性向けブランドであれば、高級な非売品ノベルティを
つけることよりも、ディレクターと立ち話をすること自体が大きなインセンティブになり、大きくリピートにつながったこともあります。
このあたりの細かなところは、ブランディングとも密接に関わるところなので、正直テストし続けていくのが最善の策です。
結論
今回はLTVについて書いてきましたが、LTVとは生涯顧客価値と言われますが、この「価値」とは顧客に対する「価値」よりも、こちらがどれだけ顧客に対して「価値」を提供し続けか、ということ。これが何より大切です。
戦術はとにかく無数にあるので、まずはあなたのブランドを買ってくれている顧客にとってなにがもっとも「価値」があることなのかを探していきましょう。
長くなったので、今日のLTVの回はおしまいにします。
では今日も最後まで読んでくれたありがとうございました。
最後に「スキ」ボタン押してくださいな。
本間英俊
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