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【縮約】日本の産業界にはなぜ「デザイン思考」が根付かないのか
90年代のIDEOが説いたのはコンセプトをプロダクトに落とすデザイン。
その後、21世紀に『経験』をデザインする考え方が一気に現れた。UXデザインだ。
この時代、席巻したのが「サービスデザイン」。メイカーズ・ムーブメントの影響で時代が動く。
「コンピュータが要素分解され、アクチュエーターやセンサーからUXをデザインできるようになり、プロトタイプの意味が変わった。
MVPとして『意図した顧客体験を届けられるか?』がチェックできる。『機械自体をどう設計するか』に取り組む時代に。
ジョナサン・アイブは、UX、機械設計、プロダクトデザインを自ら手がけ、特許を押さえてからファブレス化した。ロジスティクスを固めたのがティム・クック。
フィールドワークで顧客に共感。プロトタイプをつくって考える。専門の違う人でコラボレーションする。こうした前提は変わらない。
変化したのは扱う対象。いま欠かせないのは、AIやディープラーニング。顧客優先のUXをつくるために、AIなどで判定する技術が必要。
日本に根付かないのはアイデアを出すプロセスだけ。短期研修やサービスをつくるブレスト止まり。
本来の目指すゴールは人材育成にある。クリエイティブを組織で培う。
直面したことのない難問を解くときもメソッドは有効。
奥出も農業分野で実践。ロボット台車『アグビー』をMVPからつくり、大人気に。
土に触れ、フィールドワークを通じて思い描くのは、AIと人間が共創する社会。
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