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アイデア出しの資料は継ぎ足し、継ぎ足し「秘伝のタレ方式」で
はじめに
前回の投稿で「良いアイデアは良い資料は生まれる」ということを書きました。
それでは今回は、良い事前配布資料はどうやって用意したらよいか?について考えていきます。
そもそも毎回作り直す必要ある?
このような資料を作るにあたってまず考えたいことがあります。それは
ブレスト資料、毎回1から作り直されていないか?
ということです。そもそも、何故1から作らないといけないのでしょうか? これまでも似たような資料はたくさん作られてきたはずです。良い道具が使い込まれて品質が上がるように、良い資料も使い込まれて精度が上がるということは考えられないでしょうか?
当然、誤記などの修正は常に行っていく必要もあるし、なにより
中に含まれる情報は常に最新に更新する作業は必要
です。が、基本的な構成などは変わるものは無いはずです。
アップデートを妨げるのは、身内?
このような資料は、外部環境に合わせて都度アップデートが行われるべきでしょう。だが、実際にはそのような「資料のアップデート」という形で作りこまれていくということにはならないのが現状です。これは何故なのでしょうか?
それは実務者のスキルというより、
まわり=特に上長の「一度調べたのでもう十分だろう」という思い込み
が大きい要因なのではないでしょうか? 一度調べれば十分という考えであれば、そのような時間は取らないし、そのような作業を行っても評価しないという姿勢になってしまうのも仕方がないのかもしれません。
また、これは企業側の姿勢の問題ですが、最初に出した資料の「修正」は問題視されることが多いです。場合によっては「何故最初にしっかり調べて置かなったのか?」などと責任問題のように問いただされかねません。結局、外部環境評価の修正は、別の上長から「指示」がされない限り行われないのが実際のところではないでしょうか?(先駆者に意識の高い人がいればラッキー)
「いつでも、ちょっとずつ」の継ぎ足し方式で
では、そもそも修正するというまとまった時間が取れないのであれば、
さながら「秘伝のタレ」のように、ちょっとずつの継ぎ足し方式で
作り変えていく。そんな考え方はいかがでしょうか? 幸い、継ぎ足すのはいまや職場だけでなく、通勤時や、何なら休みだってできます。アイデア出しに必要な秘伝のタレ=データベースは今やクラウドにあるのですから、どこからでも引き出せるし、逆にどこからでも継ぎ足せるはずです。
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おわりに ~ 箱モノ?
ここまでは、アイデア出しを少しでも上手くいかせるためのインプットをどのように用意するか?用意し続けるか? ということを考えてきました。
ところで、企業の中で「良いアイデアが出ない」となった時に「アイデアのインプットとなる資料がよくない」といった議論にならずに、なぜかオープンイノベーション、すなわち「社外などの外部と交流を活性化すればアイデアが出るかもしれない」という理屈になることがあります。これまでも多くの企業が沢山の取り組みを行ってきたことでしょう。しかし、企業でオープンイノベーションの議論をすると、
いつのまにか「リアルな施設=箱モノ」を作る
というオチになることが多い印象です。この箱モノの中にコミュニティを作って、そこに主業務から外れた独自活動も認められる「出島」を作りたいという思想だそうですが、なかなかこれが成功している事例はないのではないでしょうか?
次回はアイデアではなく、このようなコミュニティを使ってどのようにアイデア出しを進めたらよいかを考えていきたいと思います。
(つづく)
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